プロベナゾールまたは1,2-ベンズイソチアゾール-3(2H)-オン1,1-ジオキシドによる防御関連遺伝子の発現

プロベナゾールの作用機構を解明するため, プロベナゾールとその活性代謝物であるとの仮説が提案されていたBITによる防御関連遺伝子の発現誘導について調べた. プロベナゾールは, PHZ1, リポキシゲナーゼ, パーオキシダーゼ, キチナーゼの遺伝子の発現を誘導したが, BITはそのような作用を示さなかった. そのため, BITはプロベナゾールと同質の作用を示す物質ではないことが明らかとなった. しかしながら, BITはイネ植物体に病害抵抗性を誘導するため, プロベナゾールは, 二つの異なる作用を通して病害抵抗性を誘導するものと推測された. 一つは複数の防御関連遺伝子の発現を誘導する作用であり,...

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Published inJournal of Pesticide Science Vol. 22; no. 1; pp. 45 - 47
Main Authors 御堂, 直樹, 岩田, 道顕
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本農薬学会 1997
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Summary:プロベナゾールの作用機構を解明するため, プロベナゾールとその活性代謝物であるとの仮説が提案されていたBITによる防御関連遺伝子の発現誘導について調べた. プロベナゾールは, PHZ1, リポキシゲナーゼ, パーオキシダーゼ, キチナーゼの遺伝子の発現を誘導したが, BITはそのような作用を示さなかった. そのため, BITはプロベナゾールと同質の作用を示す物質ではないことが明らかとなった. しかしながら, BITはイネ植物体に病害抵抗性を誘導するため, プロベナゾールは, 二つの異なる作用を通して病害抵抗性を誘導するものと推測された. 一つは複数の防御関連遺伝子の発現を誘導する作用であり, もう一つはプロベナゾールから代謝されて生じたBITによる作用である.
ISSN:1348-589X
1349-0923
DOI:10.1584/jpestics.22.45