Theileria sergentiのガングリオシド

Theileria sergentiからガングリオシドを精製し, 薄層クロマトグラフイー(TLC)ならびにTLC immunostainingテストにより分析した. T. sergentiのガングリオシドは4種類のガングリオシド(G-1, G-2, G-3およびG-4)からなり, G-1はTLC上でGM3と, G-2はsialosylparagloboside(SPG)と, G-3はi型ガングリオシドと, G-4はI型ガングリオシドと同じ移動度を示した. さらに, モノクローナル抗体を用いてTLC immunostainingテストにより反応性を調べた結果, G-1, G-2, G-3およびG...

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Published inJournal of Veterinary Medical Science Vol. 58; no. 11; pp. 1099 - 1105
Main Authors 渡来, 仁, 杉本, 千尋, 貝原(細谷), 恵子, 小林, 和子, 小沼, 操, 李, 振泰, 櫛, 泰典, 飯田, 静夫, 保田, 立二
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 公益社団法人 日本獣医学会 1996
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Summary:Theileria sergentiからガングリオシドを精製し, 薄層クロマトグラフイー(TLC)ならびにTLC immunostainingテストにより分析した. T. sergentiのガングリオシドは4種類のガングリオシド(G-1, G-2, G-3およびG-4)からなり, G-1はTLC上でGM3と, G-2はsialosylparagloboside(SPG)と, G-3はi型ガングリオシドと, G-4はI型ガングリオシドと同じ移動度を示した. さらに, モノクローナル抗体を用いてTLC immunostainingテストにより反応性を調べた結果, G-1, G-2, G-3およびG-4は, 抗GM3モノクローナル抗体, SPGに対するモノクローナル抗体, 抗i型ガングリオシドモノクローナル抗体, ならびにI型ガングリオシドと反応するモノクローナル抗体により, それぞれ認識された. また, G-1, G-2, G-3, G-4ガングリオシドは, そのシアル酸分子種としてN-グリコリルノイラミン酸のみを含んでいた. これらの結果から,T. sergentiのガングリオシドであるG-1, G-2, G-3, およびG-4は, GM3(NeuGc)[NeuGcα2-3Galβ1-4Glcβ1-1Cer], SPG(NeuGc)[NeuGcα2-3Galβ1-4GlcNAcβ1-3Ga1β1-4Glcβ1-1Cer], i型ガングリオシド(NeuGc)[NeuGcα2-3Galβ1-4GlcNAcβ1-3Galβ1-4GlcNAcβ1-3Galβ1-4Glcβ1-4Glcβ1-1Cer], ならびにI型ガングリオシド(NeuGc)[NeuGcα2-3Galβ1-4GlcNAcβ1-3(Galα1-3Galβ1-4GlcNAcβ1-6)Galβ1-4GlcNAcβ1-3Galβ1-4Glcβ1-1Cer]であることが示唆された.
ISSN:0916-7250
1347-7439
DOI:10.1292/jvms.58.11_1099