不整地歩行中の下肢関節制御に接地パターンの違いが与える影響

凹凸のある路面上を歩行した際の適応制御方略に着目して,足底面が接地時に接触する突起物の位置の違いによる制御方略の違いを明らかにすることを目的とした.健常な若年男性を対象に,等間隔に突起物を並べた不整地を含む歩行路上を歩いた際の動作と筋活動をモーションキャプチャシステム及び筋電図を用いて記録した.不整地区間に進入した最初の立脚期中の得られたデータから体幹及び下肢関節角度,下肢関節トルク,また,筋電図データから膝関節及び足関節の共収縮値を算出した.突起物1 本のみに接地した際は,両脚支持期中に体幹部が後傾し,下肢の共収縮度を低下させていたことに対して,突起物2 本に接地した際は,下肢の共収縮度を増...

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Published inバイオメカニズム学会誌 Vol. 44; no. 3; pp. 179 - 186
Main Authors 五十嵐, 健太, 山田, 洋, 小金澤, 鋼一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published バイオメカニズム学会 2020
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Summary:凹凸のある路面上を歩行した際の適応制御方略に着目して,足底面が接地時に接触する突起物の位置の違いによる制御方略の違いを明らかにすることを目的とした.健常な若年男性を対象に,等間隔に突起物を並べた不整地を含む歩行路上を歩いた際の動作と筋活動をモーションキャプチャシステム及び筋電図を用いて記録した.不整地区間に進入した最初の立脚期中の得られたデータから体幹及び下肢関節角度,下肢関節トルク,また,筋電図データから膝関節及び足関節の共収縮値を算出した.突起物1 本のみに接地した際は,両脚支持期中に体幹部が後傾し,下肢の共収縮度を低下させていたことに対して,突起物2 本に接地した際は,下肢の共収縮度を増加させていた.単脚支持期中については,前半では違いは見られなかったが,後半は突起物1 本のみに接地した時は2 本に接地した時と比べてより膝関節トルクの発生を抑えるような運動をしていた.このことから足底面が接地時に接触する突起物の位置の違いによる制御方略の違いが明らかになった.
ISSN:0285-0885
DOI:10.3951/sobim.44.3_179