抗リボソームP抗体の関与が示唆されたループス腎炎の1例

症例は43歳男性.2010年5月中旬より両手指関節痛および顔面紅斑,6月初旬より微熱を認め,蛋白尿,抗核抗体陽性およびリンパ球減少から全身性エリテマトーデスと診断した.検査所見で抗DNA抗体は陰性であったが,免疫複合体と抗リボソームP抗体が陽性であった.腎生検にてclass Vのループス腎炎の組織型を示し,蛍光抗体法で腎糸球体にIgGと補体の沈着を認めた.本症例では抗DNA抗体が陰性であることから,腎炎の発症に抗リボソームP抗体の関与が考えられた....

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Published in臨床リウマチ Vol. 23; no. 4; pp. 329 - 334
Main Authors 手嶋, 智子, 田中, 住明, 小川, 英佑, 永井, 立夫, 廣畑, 俊成, 石川, 章
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床リウマチ学会 2011
The Japanese Society for Clinical Rheumatology and Related Research
Subjects
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ISSN0914-8760
2189-0595
DOI10.14961/cra.23.329

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Summary:症例は43歳男性.2010年5月中旬より両手指関節痛および顔面紅斑,6月初旬より微熱を認め,蛋白尿,抗核抗体陽性およびリンパ球減少から全身性エリテマトーデスと診断した.検査所見で抗DNA抗体は陰性であったが,免疫複合体と抗リボソームP抗体が陽性であった.腎生検にてclass Vのループス腎炎の組織型を示し,蛍光抗体法で腎糸球体にIgGと補体の沈着を認めた.本症例では抗DNA抗体が陰性であることから,腎炎の発症に抗リボソームP抗体の関与が考えられた.
ISSN:0914-8760
2189-0595
DOI:10.14961/cra.23.329