在宅COPD患者における長期呼吸リハビリテーションと栄養指導継続の効果

COPD患者では栄養障害を伴っていることが多く,入院中または在宅において早期からの長期的栄養管理が重要である.しかし実際の臨床現場では,継続的栄養管理は困難であることが多い.今回,当院入院中に呼吸リハビリテーションと栄養管理を行ったCOPD患者に対して,退院後在宅での呼吸リハビリテーションと共に継続的栄養管理が可能であった群(継続群)とそれらが継続できなかった群(非継続群)の食事摂取状況を調査し,入院中の食事摂取量と比較した.両群とも入院中よりも食事摂取量は有意に減少していたが,継続群では非継続群よりエネルギーと各栄養素の摂取量が有意に多かった.食事摂取量が減少していた患者は,1人暮らしまたは...

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Published in日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 Vol. 25; no. 3; pp. 453 - 456
Main Authors 河辺千鶴子, 角野, 直, 城石, 涼太, 小柳, 春美, 山下はるか, 北川, 知佳, 出川, 聡, 力富, 直人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会 31.12.2015
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Summary:COPD患者では栄養障害を伴っていることが多く,入院中または在宅において早期からの長期的栄養管理が重要である.しかし実際の臨床現場では,継続的栄養管理は困難であることが多い.今回,当院入院中に呼吸リハビリテーションと栄養管理を行ったCOPD患者に対して,退院後在宅での呼吸リハビリテーションと共に継続的栄養管理が可能であった群(継続群)とそれらが継続できなかった群(非継続群)の食事摂取状況を調査し,入院中の食事摂取量と比較した.両群とも入院中よりも食事摂取量は有意に減少していたが,継続群では非継続群よりエネルギーと各栄養素の摂取量が有意に多かった.食事摂取量が減少していた患者は,1人暮らしまたは家族からの支援が受けられないことも大きな要因となっていた.今後の課題として,個々の患者に対しエネルギー量を考慮した食事を提供し,在宅患者の栄養管理を充実させるような栄養指導,他職種や患者家族と連携を強めた包括的な呼吸リハビリテーションが必要と考えられた.
ISSN:1881-7319
2189-4760
DOI:10.15032/jsrcr.25.3_453