外来化学療法患者に対する栄養管理

手術や化学療法などのがん治療における栄養療法の意義は年々高まってきている。また近年の化学療法の多様化によりその治療場所は入院から外来へ移行している。したがって入院患者へのNST介入だけでは、がん治療患者への栄養管理は不十分であり外来でのNSTによる栄養管理が望まれている。しかしながら時間的な制約、人員不足などの医療者側の問題のほかに対象が入院患者ではなく外来通院患者であることの患者側の問題もあり、その設立・運営には様々な難題が存在する。ただ外来化学療法患者へのNST介入は患者の栄養状態の維持に寄与する可能性があり、ひいてはQOLや予後の改善に繋がっていくものと考えられる。よって各職種が協働して...

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Published in日本静脈経腸栄養学会雑誌 Vol. 32; no. 1; pp. 817 - 821
Main Authors 賀来, 裕子, 古川, 祐子, 永原, 央, 天野, 良亮, 大平, 雅一, 清水, 久実代, 花山, 佳子, 堀, 栄里
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本静脈経腸栄養学会 2017
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ISSN2189-0161
2189-017X
DOI10.11244/jspen.32.817

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Summary:手術や化学療法などのがん治療における栄養療法の意義は年々高まってきている。また近年の化学療法の多様化によりその治療場所は入院から外来へ移行している。したがって入院患者へのNST介入だけでは、がん治療患者への栄養管理は不十分であり外来でのNSTによる栄養管理が望まれている。しかしながら時間的な制約、人員不足などの医療者側の問題のほかに対象が入院患者ではなく外来通院患者であることの患者側の問題もあり、その設立・運営には様々な難題が存在する。ただ外来化学療法患者へのNST介入は患者の栄養状態の維持に寄与する可能性があり、ひいてはQOLや予後の改善に繋がっていくものと考えられる。よって各職種が協働してがん治療患者に対する栄養療法に精通したチームを作っていく必要がある。我々が行ってきた外来NST活動をとおして見えてきた外来化学療法患者における栄養管理、栄養指導の現状と問題点について述べる。
ISSN:2189-0161
2189-017X
DOI:10.11244/jspen.32.817