効果と安全性を向上するスマート治療室SCOT

現代の手術室は新旧機器が混在する潜在リスク下にあり、機器毎の接続もなく孤立状態である。そこで我々は、滅菌空間を提供する従来手術室と異なり、部屋自体が単体医療機器として治療を遂行するスマート治療室(Smart Cyber Operating Theater: SCOT)を5大学11企業と日本医療機器研究開発機構の支援下で開発中である。術中MRI装置含めた基本機器をパッケージ化し、産業用ミドルウェアORiNにより手術室の全機器をネットワーク化(OpeLiNK)する。そして可視化データを統合表示し術中意思決定を支援するとともに、ロボットによる精密誘導治療を目標としている。現実空間とサイバー空間をIo...

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Published in生体医工学 Vol. Annual57; no. Abstract; p. S132_2
Main Author 村垣, 善浩
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2019
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Summary:現代の手術室は新旧機器が混在する潜在リスク下にあり、機器毎の接続もなく孤立状態である。そこで我々は、滅菌空間を提供する従来手術室と異なり、部屋自体が単体医療機器として治療を遂行するスマート治療室(Smart Cyber Operating Theater: SCOT)を5大学11企業と日本医療機器研究開発機構の支援下で開発中である。術中MRI装置含めた基本機器をパッケージ化し、産業用ミドルウェアORiNにより手術室の全機器をネットワーク化(OpeLiNK)する。そして可視化データを統合表示し術中意思決定を支援するとともに、ロボットによる精密誘導治療を目標としている。現実空間とサイバー空間をIoTによって結び治療結果を予測できるナビゲーションを開発する。機器パッケージ化 したbasic SCOTを2016年広島大学に導入脳腫瘍、てんかん外科や骨腫瘍手術の40例に施行した。ネットワーク化したstandard SCOTを2018年信州大学に導入10例施行、ロボット化したhyper SCOTのデモ版を2016年、臨床版を2019年に女子医大に設置し初症例を施行した。手術・治療における入力(目)、解析(脳)、出力(手)をデジタル化し実行するSCOTは IoTにより効果向上とリスク低減を実現する単体医療機器となる。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual57.S132_2