内視鏡の鉗子管路を挿通可能な光音響式嗅覚センサの開発

最近、人が病気ごとに固有のニオイを発する性質を診断に役立てようとする試みが注目されている。しかし、ニオイの診断的価値を明確にするためには、試料の採取方法の改良と分析時間の短縮が必要との指摘がある。そこで、体内の排出される部位付近で内因性ガスを採取、分析するために、提唱された初期の頃からガスに対する超高感度性は指摘されている光音響分光法(PAS; Photoacoustic Spectroscopy)を応用して、内視鏡下で病変の切除などを行う処置具のように鉗子口から出し入れできる嗅覚センサを開発した。ここで、PA現象は、試料に単色の断続光を照射すると、光吸収に伴う音響波が発生する現象である。本報...

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Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual57; no. Abstract; p. S142_2
Main Author 和田森, 直
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2019
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual57.S142_2

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Summary:最近、人が病気ごとに固有のニオイを発する性質を診断に役立てようとする試みが注目されている。しかし、ニオイの診断的価値を明確にするためには、試料の採取方法の改良と分析時間の短縮が必要との指摘がある。そこで、体内の排出される部位付近で内因性ガスを採取、分析するために、提唱された初期の頃からガスに対する超高感度性は指摘されている光音響分光法(PAS; Photoacoustic Spectroscopy)を応用して、内視鏡下で病変の切除などを行う処置具のように鉗子口から出し入れできる嗅覚センサを開発した。ここで、PA現象は、試料に単色の断続光を照射すると、光吸収に伴う音響波が発生する現象である。本報告は試作装置の性能などについて説明し、二酸化炭素を対象とした基礎実験からPASによる内因性ガスを対象とした内視鏡の質的診断の可能性について示す。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual57.S142_2