局所脳冷却による脳神経保護技術の開発ー薄型センサとチタン製冷却デバイスによる病態計測制御ー

てんかんの治療法には薬物療法、外科的治療、そしてニューロモデュレーションの3つの治療法があるが、基本的には薬物療法によって7割~8割は病態をほぼコントロールできる。そして、残りの難治性の患者に対しては外科的治療やニューロモデュレーションによる治療が実施される場合がある。日本国内では、電気刺激療法の一つである迷走神経刺激療法が保険診療として実施しされているが、効果を得にくい場合もあり、選択肢の幅を広げるべく、我々は局所脳冷却によるてんかん発作抑制効果の検証を動物実験から臨床研究までの一貫したアプローチにより進めてきた。この局所脳冷却は、脳に局在するてんかん焦点を低体温療法よりも低い温度域である1...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual57; no. Abstract; p. S217_2
Main Authors 井本, 浩哉, 鈴木, 倫保, 井上, 貴雄, 野村, 貞宏, 庭山, 雅嗣, 山川, 俊貴, 柳井, 宏之, 岡, 史朗, 末廣, 栄一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2019
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
Online AccessGet full text
ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual57.S217_2

Cover

More Information
Summary:てんかんの治療法には薬物療法、外科的治療、そしてニューロモデュレーションの3つの治療法があるが、基本的には薬物療法によって7割~8割は病態をほぼコントロールできる。そして、残りの難治性の患者に対しては外科的治療やニューロモデュレーションによる治療が実施される場合がある。日本国内では、電気刺激療法の一つである迷走神経刺激療法が保険診療として実施しされているが、効果を得にくい場合もあり、選択肢の幅を広げるべく、我々は局所脳冷却によるてんかん発作抑制効果の検証を動物実験から臨床研究までの一貫したアプローチにより進めてきた。この局所脳冷却は、脳に局在するてんかん焦点を低体温療法よりも低い温度域である15~25℃まで冷やすことでてんかん性の病態を制御することができる。今回は、てんかん焦点を15~25℃まで冷やすためのチタン製の冷却デバイスと冷却デバイス直下の脳温度や脳電図を計測する薄型センサより構成させる局所脳冷却システムの概要を説明し、局所脳冷却システムを用いた動物実験や臨床研究の成果を報告する。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual57.S217_2