光による内シャント透視イメージングに関する基礎的検討 ~臨床で想定される血管狭窄の描出

人工透析治療に必要不可欠な自己血管内シャントは,狭窄を起こしやすい.そのため,日常の管理が重要である.しかし現状の管理手法は,主観的であることや侵襲の面で課題がある.これに対し我々は,近赤外光を用い非侵襲で定量的管理を実現する手法を提案してきた.この手法では,前腕部の両側面から波長810 nmの線状光を入射し,内部からの拡散出射光を撮像することで血管透視を行う.これまで,血管軸方向の局所部分において血管断面内で同心円状となる狭窄が発生した場合を想定し,提案手法の有用性を確かめてきた.本報告では,臨床におけるより実際的な狭窄を想定し,血管断面内で非同心円状に狭窄が進行する構造を対象とした.実験で...

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Published in生体医工学 Vol. Annual57; no. Abstract; p. S200_2
Main Authors 神山, 英昇, 北間, 正崇, 山下, 政司, 清水, 久恵, 小島, 洋一郎, 菊池, 明泰, 奥山, 豪, 清水, 孝一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2019
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Summary:人工透析治療に必要不可欠な自己血管内シャントは,狭窄を起こしやすい.そのため,日常の管理が重要である.しかし現状の管理手法は,主観的であることや侵襲の面で課題がある.これに対し我々は,近赤外光を用い非侵襲で定量的管理を実現する手法を提案してきた.この手法では,前腕部の両側面から波長810 nmの線状光を入射し,内部からの拡散出射光を撮像することで血管透視を行う.これまで,血管軸方向の局所部分において血管断面内で同心円状となる狭窄が発生した場合を想定し,提案手法の有用性を確かめてきた.本報告では,臨床におけるより実際的な狭窄を想定し,血管断面内で非同心円状に狭窄が進行する構造を対象とした.実験では,狭窄の進行度別に複数個の試料を作製し狭窄部の検出を試みた.その結果,臨床利用において重要とされる血管内径2.5 mm付近 (経皮的血管形成術の適応基準) の計測(狭窄径2.0 mm ~ 5.0mmで1.0mm刻)において,内径変化に応じて計測値が変化することを確認した.以上の結果から,提案手法を用いることにより,非対称的に進行する狭窄に対し無侵襲で定量的な経過観察の実現の可能性が示された.
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual57.S200_2