咀嚼筋間隙へ転移した子宮血管周囲類上皮細胞腫瘍 (perivascular epithelioid cell tumor : PEComa) の1例

血管周囲類上皮細胞腫瘍 (PEComa) はまれな軟部腫瘍で, 頭頚部領域での発生例は少ない. 本症例は左側頭部に急速に増大する腫瘤形成で発見され, 左咀嚼筋間隙腫瘍として摘出したところmalignant PEComaであった. 当初原発病変と考えられたが, 2年前に子宮筋腫に対する子宮全摘術の既往があり, 病理標本の再検討で子宮原発のmalignant PEComaであった. 発生母地が頭蓋内以外の軟部腫瘍については, すべての症例において脳神経外科単独ではなく複数科で討議して治療に臨む姿勢が必要である. また女性の軟部腫瘍に遭遇した場合には子宮筋腫の治療歴を確認し, その病理標本を再検証す...

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Published in脳神経外科ジャーナル Vol. 32; no. 11; pp. 746 - 751
Main Authors 芝, 真人, 水野, 正喜, 荒木, 朋浩, 野呂, 朱里, 中塚, 慶徳, 山本, 篤志, 市川, 尚己
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本脳神経外科コングレス 2023
Subjects
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ISSN0917-950X
2187-3100
DOI10.7887/jcns.32.746

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Summary:血管周囲類上皮細胞腫瘍 (PEComa) はまれな軟部腫瘍で, 頭頚部領域での発生例は少ない. 本症例は左側頭部に急速に増大する腫瘤形成で発見され, 左咀嚼筋間隙腫瘍として摘出したところmalignant PEComaであった. 当初原発病変と考えられたが, 2年前に子宮筋腫に対する子宮全摘術の既往があり, 病理標本の再検討で子宮原発のmalignant PEComaであった. 発生母地が頭蓋内以外の軟部腫瘍については, すべての症例において脳神経外科単独ではなく複数科で討議して治療に臨む姿勢が必要である. また女性の軟部腫瘍に遭遇した場合には子宮筋腫の治療歴を確認し, その病理標本を再検証することも重要であると考える.
ISSN:0917-950X
2187-3100
DOI:10.7887/jcns.32.746