関節リウマチに対するアバタセプトの有効性の検討

目的:アバタセプト(ABT)はT細胞の活性化を抑制する生物学的製剤で,5番目の薬剤として2010年9月より我が国でも使用可能となった.短期成績ではあるが,関節リウマチ(RA)症例に対するABTの有効性を検討した.対象・方法:ABTを投与して12週間を経過したRA症例35例を対象とした.内訳は男性6例,女性29例,37歳~78歳,平均61.6歳であった.ABTの有効性を検討し,MTX併用の有無と,naïve症例とswitch症例で比較解析した.結果:35例中ABTを無効と判定し中止,薬剤の変更を行った症例が4例あった.残りの31例(88.6%)は臨床症状の改善が得られ投与を継続中である.有効症例...

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Published in臨床リウマチ Vol. 24; no. 3; pp. 193 - 198
Main Authors 清水, 克時, 四戸, 隆基, 佐藤, 正夫, 竹村, 正男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床リウマチ学会 2012
The Japanese Society for Clinical Rheumatology and Related Research
Subjects
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ISSN0914-8760
2189-0595
DOI10.14961/cra.24.193

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Summary:目的:アバタセプト(ABT)はT細胞の活性化を抑制する生物学的製剤で,5番目の薬剤として2010年9月より我が国でも使用可能となった.短期成績ではあるが,関節リウマチ(RA)症例に対するABTの有効性を検討した.対象・方法:ABTを投与して12週間を経過したRA症例35例を対象とした.内訳は男性6例,女性29例,37歳~78歳,平均61.6歳であった.ABTの有効性を検討し,MTX併用の有無と,naïve症例とswitch症例で比較解析した.結果:35例中ABTを無効と判定し中止,薬剤の変更を行った症例が4例あった.残りの31例(88.6%)は臨床症状の改善が得られ投与を継続中である.有効症例ではABT開始後3ケ月を経過しても臨床症状の改善が持続している症例が多くみられた.ABT投与後12週目における疾患活動性評価では,臨床的寛解,低疾患活動性を獲得した症例の割合はDAS28-CRP評価で65.7%,DAS28-ESR評価で48.6%であった.ABT投与期間中の重篤な有害事象はみられなかった.結論:ABTは他の生物学的製剤と比較して効果発現に時間を要する症例も存在するが,RAに対するfirst line,second line以降の生物学的製剤として有効な薬剤と考えられた.
ISSN:0914-8760
2189-0595
DOI:10.14961/cra.24.193