ホウ素中性子捕捉療法の看護実務と今後の展望

ホウ素中性子捕捉療法(Boron neutron capture therapy、以下BNCT)は、ホウ素と中性子が反応して生じる2つの重粒子線によりがん細胞を破壊する放射線治療である。BNCTに必要な中性子線は、研究用原子炉から取り出されてきたが、近年、医療機関に設置可能な加速器BNCTシステムの開発が進み、研究用原子炉施設から医療機関にBNCT実施の場が移ることが想定されている。本稿の目的は、研究用原子炉、加速器BNCTシステムの両方のBNCTの現場で、約500例に看護師として従事した経験をもとに、BNCTにおける看護師の業務、役割を紹介することである。放射線看護におけるBNCTと他の放射...

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Published in日本放射線看護学会誌 Vol. 8; no. 2; pp. 69 - 78
Main Authors 鈴木, 実, 山本, 由佳
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本放射線看護学会 31.12.2020
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ISSN2187-6460
2433-5649
DOI10.24680/rnsj.8.2_69

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Summary:ホウ素中性子捕捉療法(Boron neutron capture therapy、以下BNCT)は、ホウ素と中性子が反応して生じる2つの重粒子線によりがん細胞を破壊する放射線治療である。BNCTに必要な中性子線は、研究用原子炉から取り出されてきたが、近年、医療機関に設置可能な加速器BNCTシステムの開発が進み、研究用原子炉施設から医療機関にBNCT実施の場が移ることが想定されている。本稿の目的は、研究用原子炉、加速器BNCTシステムの両方のBNCTの現場で、約500例に看護師として従事した経験をもとに、BNCTにおける看護師の業務、役割を紹介することである。放射線看護におけるBNCTと他の放射線治療との共通点、相違点の知識は、加速器BNCTシステムを導入する医療機関において、放射線看護実務のワークフロー立案の助けとなり、放射線看護学における新たな研究展開につながることが期待される。
ISSN:2187-6460
2433-5649
DOI:10.24680/rnsj.8.2_69