脳卒中患者に対する長下肢装具の臨床使用 スコーピングレビュー

【目的】長下肢装具(Knee-Ankle-Foot Orthosis:以下,KAFO)の有効性は,脳卒中治療ガイドライン2021や理学療法ガイドライン第2版,既存の臨床研究では十分に明らかにされていない。今回,脳卒中患者に対するKAFOの臨床使用におけるスコーピングレビューを実施した。【方法】データベースは6つ使用し,2022年3月までの研究報告を検索対象とした。脳卒中を対象とした,KAFOの記述があるものを対象とした。無作為化比較試験,非無作為化比較試験などの介入研究や,コホート研究,横断的研究を含む観察研究も含めるよう検討した。【結果】KAFOを使用した対象者は873名,対象論文は20本で...

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Published in総合理学療法学 Vol. 4; pp. 35 - 46
Main Authors 甲斐, 太陽, 北川, 孝, 浦, 慎太朗
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 大阪府理学療法士会生涯学習センター 2024
大阪府理学療法士会生涯学習センター
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ISSN2436-3871
2436-388X
DOI10.50918/cptr.2024-007

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Summary:【目的】長下肢装具(Knee-Ankle-Foot Orthosis:以下,KAFO)の有効性は,脳卒中治療ガイドライン2021や理学療法ガイドライン第2版,既存の臨床研究では十分に明らかにされていない。今回,脳卒中患者に対するKAFOの臨床使用におけるスコーピングレビューを実施した。【方法】データベースは6つ使用し,2022年3月までの研究報告を検索対象とした。脳卒中を対象とした,KAFOの記述があるものを対象とした。無作為化比較試験,非無作為化比較試験などの介入研究や,コホート研究,横断的研究を含む観察研究も含めるよう検討した。【結果】KAFOを使用した対象者は873名,対象論文は20本であった。使用時期として前期亜急性期の報告が多く,運動麻痺が重度,中等度に対して使用している報告が多かった。前向きコホート研究やランダム化比較試験の報告はなかったが,KAFOの有効性を示した報告は5本あった。【結論】現時点では,どのような病期や麻痺の重症度に,どの程度KAFOを使用するべきかは不明確という結果となった。
ISSN:2436-3871
2436-388X
DOI:10.50918/cptr.2024-007