咬合変化の原因に基づく咬合違和感症候群の分類の提案とその対処法

口腔領域の疼痛や咬合違和感を訴える患者に対して何らかの対応が必要になることは決して稀なことではない.しかし, 通常の歯科治療や補綴関連の咬合治療を行ってもなかなか改善しない患者や,むしろ介入によって症状がさらに悪化するケースに遭遇することもある.このような慢性的な疼痛や咬合違和感に陥る不幸な患者を自ら作らない,あるいは既に慢性的な状況になっている患者の回復のためには,その背景にある原因を把握し,治療介入を行った方が良い症例と,介入すべきではない症例を区別する必要がある.今回,咬合に関連する補綴(歯科)治療を行う際の留意点をまとめ,咬合変化の原因に基づいた咬合違和感症候群の分類(試案)の作成,さ...

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Published inJapanese Journal of Orofacial Pain Vol. 17; no. 1; pp. 17 - 28
Main Authors 鳥巣, 哲朗, 島田, 明子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本口腔顔面痛学会 2025
Japanese Society of Orofacial Pain
Subjects
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ISSN1883-308X
1882-9333
DOI10.11264/jjop.17.17

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Summary:口腔領域の疼痛や咬合違和感を訴える患者に対して何らかの対応が必要になることは決して稀なことではない.しかし, 通常の歯科治療や補綴関連の咬合治療を行ってもなかなか改善しない患者や,むしろ介入によって症状がさらに悪化するケースに遭遇することもある.このような慢性的な疼痛や咬合違和感に陥る不幸な患者を自ら作らない,あるいは既に慢性的な状況になっている患者の回復のためには,その背景にある原因を把握し,治療介入を行った方が良い症例と,介入すべきではない症例を区別する必要がある.今回,咬合に関連する補綴(歯科)治療を行う際の留意点をまとめ,咬合変化の原因に基づいた咬合違和感症候群の分類(試案)の作成,さらにその対処の際,介入・非介入の判断の参考となる指標の作成を試みた.咬合違和感や疼痛の背景にある原因を把握し,歯科的,器質的な側面からだけではなく,心理的・社会的面も含め,状況に応じた対応が重要である.
ISSN:1883-308X
1882-9333
DOI:10.11264/jjop.17.17