感染症流行の早期探知のための電子カルテを用いた自動的な症候群サーベイランスの構築

感染症流行を早期に探知することを目的とし電子カルテを用いた「症候群サーベイランス」を自動的に運用するシステムを構築した.サーベイランスの対象は,医療機関受診者のうち,発熱,呼吸器症状,下痢,嘔吐,発疹の有症状者の件数である.2005年5月~2006年9月まで一診療所においてシステムを開発した.2006年10月より同一地域における複数の医療機関で同様のサーベイランスを行い,地域での感染症流行を探知する試みを行っている.2006年10月感染性胃腸炎の流行,2007年3月の遅いインフルエンザ流行,2007年8月末から9月にかけてのエコー30による無菌性髄膜炎の流行を探知した.特に無菌性髄膜炎の流行で...

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Published inJapan Journal of Medical Informatics Vol. 28; no. 1; pp. 13 - 20
Main Authors 岡部, 信彦, 大日, 康史, 谷口, 清州, 菅原, 民枝, 杉浦, 弘明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本医療情報学会 2008
Japan Association for Medical Informatics
Subjects
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ISSN0289-8055
2188-8469
DOI10.14948/jami.28.13

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Summary:感染症流行を早期に探知することを目的とし電子カルテを用いた「症候群サーベイランス」を自動的に運用するシステムを構築した.サーベイランスの対象は,医療機関受診者のうち,発熱,呼吸器症状,下痢,嘔吐,発疹の有症状者の件数である.2005年5月~2006年9月まで一診療所においてシステムを開発した.2006年10月より同一地域における複数の医療機関で同様のサーベイランスを行い,地域での感染症流行を探知する試みを行っている.2006年10月感染性胃腸炎の流行,2007年3月の遅いインフルエンザ流行,2007年8月末から9月にかけてのエコー30による無菌性髄膜炎の流行を探知した.特に無菌性髄膜炎の流行では,初期症状の嘔吐を捉え,保健所から教育委員会を通じて各学校に手洗い励行の通知がなされた.
ISSN:0289-8055
2188-8469
DOI:10.14948/jami.28.13