嚥下造影検査における広帯域音響センサを用いた嚥下音同期計測システムの構築

近年,誤嚥性肺炎を早期に発見・予防するため,嚥下機能の簡便な評価や機能低下の早期的な診断を目指した研究が広く行われている.我々は,非侵襲かつベッドサイドで簡便に嚥下機能を評価することを目指し,嚥下音に着目した研究を進めている.本研究では,嚥下機能の低下に伴う特徴的な音響学的情報を明らかにするため,嚥下造影検査中の咀嚼食塊の動きと音響情報が同時に計測できるシステム(以下,本システムと記す)の構築を行った.本システムは,X線透視撮影画像を記録するための装置および音響情報を計測するためのオーディオインタフェースにより構成される.本システムでは,映像分配装置を用いてX線透視撮影装置で得られる動画像を記...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual57; no. Abstract; p. S280_1
Main Authors 本田, 哲三, 近井, 学, 高橋, 秀寿, 大森, 信行, 西尾, 大祐, 遠藤, 博史, 井野, 秀一, 内藤, 藍, 阿部, 真也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2019
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
Online AccessGet full text
ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual57.S280_1

Cover

More Information
Summary:近年,誤嚥性肺炎を早期に発見・予防するため,嚥下機能の簡便な評価や機能低下の早期的な診断を目指した研究が広く行われている.我々は,非侵襲かつベッドサイドで簡便に嚥下機能を評価することを目指し,嚥下音に着目した研究を進めている.本研究では,嚥下機能の低下に伴う特徴的な音響学的情報を明らかにするため,嚥下造影検査中の咀嚼食塊の動きと音響情報が同時に計測できるシステム(以下,本システムと記す)の構築を行った.本システムは,X線透視撮影画像を記録するための装置および音響情報を計測するためのオーディオインタフェースにより構成される.本システムでは,映像分配装置を用いてX線透視撮影装置で得られる動画像を記録し,また研究対象者となる嚥下機能に障害がある患者の嚥下音を計測するためのセンサ(可聴域帯域から超音波帯域まで計測できるもの)により得られる音響情報を記録するオーディオインタフェースを同期させて記録をすることを可能とした.現在,少数の研究対象者の評価実験を進めており,今後は対象者の確保と継続した実験を行い,嚥下機能の低下によって起こる音響学的情報を明らかにしていく.
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual57.S280_1