カテーテル固定用パッチ装着による口腔ケア時の有用性について

経口挿管中患者において,気管内チューブによる口腔粘膜の潰瘍形成や人工呼吸器関連肺炎のリスクがあり口腔ケアが重要である.しかし一時的に固定を外すため誤抜管などのリスクがあり,その軽減のために人員や時間を要する.そこで我々はアンカーファストを導入し,口腔ケア時の有用性を検証した. 対象は20XX年10月~20XX+1年2月に当院で経口挿管中の患者で,アンカーファストを装着した15名と,テープ固定の6名とした.対象の性別,年齢,経口挿管日数,調査日,残存歯数について調査し,口唇・口腔粘膜の潰瘍の発生率,口腔ケア対応人員数,口腔ケア所要時間,Plaque Control Record: PCRについて...

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Published in日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 Vol. 25; no. 2; pp. 209 - 212
Main Authors 大石, 佐奈美, 大野, 友久, 寺田, 泉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会 31.08.2015
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ISSN1881-7319
2189-4760
DOI10.15032/jsrcr.25.2_209

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Summary:経口挿管中患者において,気管内チューブによる口腔粘膜の潰瘍形成や人工呼吸器関連肺炎のリスクがあり口腔ケアが重要である.しかし一時的に固定を外すため誤抜管などのリスクがあり,その軽減のために人員や時間を要する.そこで我々はアンカーファストを導入し,口腔ケア時の有用性を検証した. 対象は20XX年10月~20XX+1年2月に当院で経口挿管中の患者で,アンカーファストを装着した15名と,テープ固定の6名とした.対象の性別,年齢,経口挿管日数,調査日,残存歯数について調査し,口唇・口腔粘膜の潰瘍の発生率,口腔ケア対応人員数,口腔ケア所要時間,Plaque Control Record: PCRについて比較した. その結果,アンカーファスト群では口唇・口腔粘膜の潰瘍形成の発生率および口腔ケア対応人員数が有意に減少し,また口腔ケアの所要時間およびPCRが減少する傾向があった. 以上のことから,アンカーファストの使用は安全・効果的・効率的な口腔ケアに繋がり,有用と考えられた.
ISSN:1881-7319
2189-4760
DOI:10.15032/jsrcr.25.2_209