喘息児における休息姿勢の選択傾向

小児喘息においては,患児が呼吸困難発生時に受動的または能動的に取る姿勢があることが知られている.しかし,この姿勢に関しては,概念構成も曖昧で定義もなく用語としての統一性もないのが現状である.本研究では,呼吸困難発生時のいわゆる休息姿勢に着目し,小児喘息の転地療法である喘息児サマーキャンプに参加した66名の男女を対象として,休息姿勢の選択傾向を明らかにすることを目的に調査を行った.事前に抽出した8種類の休息姿勢について,サマーキャンプに随行した理学療法士が聞き取り調査を行い,複数回答を合わせて66名の児童により合計72の姿勢が選択された.姿勢の種類による選択傾向では,頭を高くした側臥位,前傾椅子...

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Published in日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 Vol. 24; no. 3; pp. 326 - 331
Main Authors 松本, 直人, 齋藤, 弘樹, 新野, 直明, 長田, 久雄, 渡辺, 修一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会 31.12.2014
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Summary:小児喘息においては,患児が呼吸困難発生時に受動的または能動的に取る姿勢があることが知られている.しかし,この姿勢に関しては,概念構成も曖昧で定義もなく用語としての統一性もないのが現状である.本研究では,呼吸困難発生時のいわゆる休息姿勢に着目し,小児喘息の転地療法である喘息児サマーキャンプに参加した66名の男女を対象として,休息姿勢の選択傾向を明らかにすることを目的に調査を行った.事前に抽出した8種類の休息姿勢について,サマーキャンプに随行した理学療法士が聞き取り調査を行い,複数回答を合わせて66名の児童により合計72の姿勢が選択された.姿勢の種類による選択傾向では,頭を高くした側臥位,前傾椅子坐位,上肢で支持した中腰位の3つの姿勢の選択者数が多く,これらの姿勢に集中する傾向が確認され,姿勢選択における指向性が示された.また,横隔膜呼吸習得度が休息姿勢の選択に影響を与える可能性が示された.
ISSN:1881-7319
2189-4760
DOI:10.15032/jsrcr.24.3_326