膵頭部intraductal oncocytic papillary neoplasmの1例

膵intraductal oncocytic papillary neoplasm(IOPN)は膵癌取扱い規約(第7版)でIPMNなどと同列にあたる膵癌前病変の一つとして分類された.今回われわれはIOPNの1切除例を経験したので,疾患分類の変遷など文献的考察を加えながら報告する.症例は47歳の女性で,主訴は特になかった.1年前に検診の腹部超音波検査で膵頭部に膵嚢胞性病変を指摘され,近医で分枝膵管型IPMNと診断された.翌年に壁在結節の増大を認め,high risk stigmataに該当し,亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を施行した.病理組織所見では,膵頭部で嚢胞状に拡張した分岐膵管や類円形の核を...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 83; no. 8; pp. 1527 - 1532
Main Authors 櫻井, 湧哉, 内海, 方嗣, 近藤, 碧, 柚木, 宏介, 德永, 尚之, 表, 梨華, 稲垣, 優
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2022
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Summary:膵intraductal oncocytic papillary neoplasm(IOPN)は膵癌取扱い規約(第7版)でIPMNなどと同列にあたる膵癌前病変の一つとして分類された.今回われわれはIOPNの1切除例を経験したので,疾患分類の変遷など文献的考察を加えながら報告する.症例は47歳の女性で,主訴は特になかった.1年前に検診の腹部超音波検査で膵頭部に膵嚢胞性病変を指摘され,近医で分枝膵管型IPMNと診断された.翌年に壁在結節の増大を認め,high risk stigmataに該当し,亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を施行した.病理組織所見では,膵頭部で嚢胞状に拡張した分岐膵管や類円形の核を有する腫瘍細胞の乳頭状増殖を認めた.免疫組織化学的染色を併施し,IOPNと最終診断した.経過は良好で術後14日目に退院した.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.83.1527