ジオパーク秩父のジオ多様性

ジオパーク秩父は1市4町(秩父市,横瀬町,皆野町,長瀞町,小鹿野町)をエリアとしており,2011年に国内で15番目の日本ジオパークに認定された.ジオパークのメインテーマは「大地の守人を育むジオ学習の聖地」であり,東京から比較的近いこともあり明治時代より多くの研究者がこの地を訪れて,近代地質学を発展させた地学の歴史が盛り込まれているとともに,宮沢賢治の足跡を辿ることもできる.また,秩父札所34ヶ所観音霊場などに代表される寺社には,人々が特異な地形に神秘を感じ,大切に守り伝えてきた特別な場所が数多くあり,ジオパーク秩父の見どころともなっている.公開されているジオサイトも札所の数と同じ34ヶ所に絞ら...

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Published in地質学雑誌 Vol. 128; no. 1; pp. 131 - 141
Main Authors 高木, 秀雄, 吉田, 健一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本地質学会 17.08.2022
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ISSN0016-7630
1349-9963
DOI10.5575/geosoc.2022.0010

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Summary:ジオパーク秩父は1市4町(秩父市,横瀬町,皆野町,長瀞町,小鹿野町)をエリアとしており,2011年に国内で15番目の日本ジオパークに認定された.ジオパークのメインテーマは「大地の守人を育むジオ学習の聖地」であり,東京から比較的近いこともあり明治時代より多くの研究者がこの地を訪れて,近代地質学を発展させた地学の歴史が盛り込まれているとともに,宮沢賢治の足跡を辿ることもできる.また,秩父札所34ヶ所観音霊場などに代表される寺社には,人々が特異な地形に神秘を感じ,大切に守り伝えてきた特別な場所が数多くあり,ジオパーク秩父の見どころともなっている.公開されているジオサイトも札所の数と同じ34ヶ所に絞られており,そのほか文化・歴史サイト,生態サイト,眺望サイトが選定されている.この巡検では,関東を代表する三波川帯,秩父帯(メランジュ),および中新統秩父盆地層群の代表的なジオサイトを見学するとともに,盆地に広がる中新統と,それを取り巻く山々を構成する基盤岩の地形,および両者の境界をなす不整合と断層を,札所と和銅遺跡で見学する.ジオと文化・歴史のつながりを感じることができるコースでもある.
ISSN:0016-7630
1349-9963
DOI:10.5575/geosoc.2022.0010