勾配損傷モデルと有限被覆法を組み合わせた動的破壊シミュレーション手法の開発

本論文では,準静的問題を対象とした拡散き裂の離散き裂移行手法を,有限変形の枠組みで動的破壊問題へと拡張することで,応力波が構造物の内部で伝播し,き裂発生・進展・分岐および部材の分離とその後の運動までを包括的に追跡可能な計算手法を提案する.まず,エネルギーと物体力による外力仕事からなる汎関数から,変位場と損傷場の支配方程式を導出する.次に,対応する弱形式化に対して有限被覆法により空間離散化を行い,Newmarkβ法により時間離散化を行なった上で,拡散き裂から離散き裂に推移するアルゴリズムを実装する.最後に,き裂進展問題や部材の分離を含む動的破壊問題についていくつかの数値計算例を示し,本手法の性能...

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Published in日本計算工学会論文集 Vol. 2024; p. 20240001
Main Authors 韓, 霽珂, 森口, 周二, 平山, 大悟, 寺田, 賢二郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本計算工学会 15.01.2024
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ISSN1347-8826
DOI10.11421/jsces.2024.20240001

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Summary:本論文では,準静的問題を対象とした拡散き裂の離散き裂移行手法を,有限変形の枠組みで動的破壊問題へと拡張することで,応力波が構造物の内部で伝播し,き裂発生・進展・分岐および部材の分離とその後の運動までを包括的に追跡可能な計算手法を提案する.まず,エネルギーと物体力による外力仕事からなる汎関数から,変位場と損傷場の支配方程式を導出する.次に,対応する弱形式化に対して有限被覆法により空間離散化を行い,Newmarkβ法により時間離散化を行なった上で,拡散き裂から離散き裂に推移するアルゴリズムを実装する.最後に,き裂進展問題や部材の分離を含む動的破壊問題についていくつかの数値計算例を示し,本手法の性能を検証する.
ISSN:1347-8826
DOI:10.11421/jsces.2024.20240001