転倒リスク評価のための因子分析に基づく立位年齢推定モデル

高齢者の人口割合が上昇している日本においては,転倒による事故も増加しているという大きな問題を抱えている.種々の転倒予防法が研究される中で,我々は指先への体性感覚刺激を利用して被験者の立位状態変化を誘発させて立位機能を評価するシステムStA2BLE(Standing function assist and assessment method Based on Light touch effect)を提案してきた.本研究では立位機能評価システムを用いて計測した1,000名を超える被験者データに対して因子分析を用いて立位機能を特徴づける因子を抽出し,各要因の物理的意味合いを調査した.因子分析では,8...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in生体医工学 Vol. Annual57; no. Abstract; p. S101_1
Main Authors 坂田, 茉実, 島, 圭介, 島谷, 康司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2019
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:高齢者の人口割合が上昇している日本においては,転倒による事故も増加しているという大きな問題を抱えている.種々の転倒予防法が研究される中で,我々は指先への体性感覚刺激を利用して被験者の立位状態変化を誘発させて立位機能を評価するシステムStA2BLE(Standing function assist and assessment method Based on Light touch effect)を提案してきた.本研究では立位機能評価システムを用いて計測した1,000名を超える被験者データに対して因子分析を用いて立位機能を特徴づける因子を抽出し,各要因の物理的意味合いを調査した.因子分析では,80個の評価指標から「重心動揺速度」などの4つの因子が確認でき,各因子に対して被験者の年齢や転倒歴の有無,握力等の体力テストなどの被験者データとの比較を行った.また「重心動揺速度」が転倒歴に大きく関係することを確認し,20~60代までの被験者データに対する各因子得点を用いて転倒リスクを定量的に評価するインデックスとして立位年齢を提案し,立位年齢と実年齢の差が大きい被験者群は転倒リスクが高いことを明らかにした.以上のことから,提案システムが転倒リスク保有者のスクリーニングに利用できる可能性を示唆した.
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual57.S101_1