VRの看護応用:VR認知症体験を通して醸成するperson-centered care

看護教育で最も大事なもの、それは患者の立場にたって生活状況を理解し、その生活をより良くすることである。この「患者の立場に立つ」ということが今非常に困難である。そのりゆうとして、社会構造が変化する中で、人の生活ぶりや考え方も変わっていくことに合わせて、教育内容も変えていく必要がある。看護領域では、「患者の立場に立つ」ために、患者に「寄り添う」ということを重要視する。しかし、この患者の思いに「寄り添い」、「共感的に」理解することは非常に難しい。医療現場では、患者とケア者の間の文脈のギャップが生じる。その顕著な例として、認知症の人へのケアがある。認知症の人は、記憶障害や、判断能力の低下などから、これ...

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Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual57; no. Abstract; p. S199_2
Main Authors 山川, みやえ, 下河原, 忠道
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2019
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual57.S199_2

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Summary:看護教育で最も大事なもの、それは患者の立場にたって生活状況を理解し、その生活をより良くすることである。この「患者の立場に立つ」ということが今非常に困難である。そのりゆうとして、社会構造が変化する中で、人の生活ぶりや考え方も変わっていくことに合わせて、教育内容も変えていく必要がある。看護領域では、「患者の立場に立つ」ために、患者に「寄り添う」ということを重要視する。しかし、この患者の思いに「寄り添い」、「共感的に」理解することは非常に難しい。医療現場では、患者とケア者の間の文脈のギャップが生じる。その顕著な例として、認知症の人へのケアがある。認知症の人は、記憶障害や、判断能力の低下などから、これまでの文脈というものが分断されていることが多いため、それまでケア者と共有していた状況を共有できないという特徴がある。その分断されている状況をケア者は理解する必要があるが、それが難しい現状にあるそこで、VRによって、患者とケア者の間に生じるギャップを埋め、よりよいケアにつなげる教育プログラムを開発した。その一部を紹介する。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual57.S199_2