新規殺菌剤ピラジフルミドの合成と生物活性

ピラジフルミドは3-(トリフルオロメチル)ピラジン-2-カルボキサミド骨格を持った新規なsuccinate dehydrogenase inhibitor(SDHI)系殺菌剤である.現在,複数の同系統剤が上市あるいは開発途上にあるが,ピラジン骨格を有する剤は本剤のみである.本剤は野菜・果樹・芝および水稲分野の病害に幅広く高い活性を示す一方で,作物,哺乳動物,水棲生物に対しては極めて高い安全性を有する.カルボン酸部分に3-(トリフルオロメチル)ピラジン-2-イル基を導入した場合,特異的に高い活性を示した.また,ビフェニル部分の置換基と様々な病害に対する活性との関係を広範に調べ,最終的にピラジフル...

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Published inJournal of Pesticide Science Vol. 42; no. 4; pp. 151 - 157
Main Authors 松崎, 義広, 森下, 幸生, 黒木, 信孝, 長谷部, 元宏, 織田, 雅次, 古谷, 敬
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 日本農薬学会 2017
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ISSN1348-589X
1349-0923
DOI10.1584/jpestics.D17-041

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Summary:ピラジフルミドは3-(トリフルオロメチル)ピラジン-2-カルボキサミド骨格を持った新規なsuccinate dehydrogenase inhibitor(SDHI)系殺菌剤である.現在,複数の同系統剤が上市あるいは開発途上にあるが,ピラジン骨格を有する剤は本剤のみである.本剤は野菜・果樹・芝および水稲分野の病害に幅広く高い活性を示す一方で,作物,哺乳動物,水棲生物に対しては極めて高い安全性を有する.カルボン酸部分に3-(トリフルオロメチル)ピラジン-2-イル基を導入した場合,特異的に高い活性を示した.また,ビフェニル部分の置換基と様々な病害に対する活性との関係を広範に調べ,最終的にピラジフルミを創出するに至った.本論文ではピラジフルミド創出の経緯と構造活性相関について詳細に述べる.
ISSN:1348-589X
1349-0923
DOI:10.1584/jpestics.D17-041