週1回の高強度インターバルトレーニングがアスリートの呼吸循環機能及び運動パフォーマンスに及ぼす影響

【背景】我々は一般学生を対象とした先行研究において,週に1回の高強度インターバルトレーニング(HIT)が,最大酸素摂取量(VO2max)や呼吸性代償閾値(RCP)を増加させ,呼吸循環系機能の向上とあわせて,左室心筋重量の増加などの形態的変化も引き起こすことを報告した。しかしながら,日々トレーニングを継続しているアスリートに対する本トレーニング手法の有効性は明らかにされていない。【方法】運動部に所属する男子大学生20名を運動鍛錬者群(Tr群)と対照群に振り分けた。HIT前後で,自転車エルゴメータを用いた漸増負荷運動を行い,VO2maxとRCPを求め,其々の地点の換気諸量を測定した。また,心エコー...

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Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual57; no. Abstract; p. S182_2
Main Authors 中原, 英博, 上田, 真也, 宮本, 忠吉, 伊藤, 剛
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2019
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual57.S182_2

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Summary:【背景】我々は一般学生を対象とした先行研究において,週に1回の高強度インターバルトレーニング(HIT)が,最大酸素摂取量(VO2max)や呼吸性代償閾値(RCP)を増加させ,呼吸循環系機能の向上とあわせて,左室心筋重量の増加などの形態的変化も引き起こすことを報告した。しかしながら,日々トレーニングを継続しているアスリートに対する本トレーニング手法の有効性は明らかにされていない。【方法】運動部に所属する男子大学生20名を運動鍛錬者群(Tr群)と対照群に振り分けた。HIT前後で,自転車エルゴメータを用いた漸増負荷運動を行い,VO2maxとRCPを求め,其々の地点の換気諸量を測定した。また,心エコー装置を用いて左心室の形態及び機能の測定を行った。HITは,最大ワット数の80%負荷を疲労困憊まで持続させ,3分の休息期を挟み計3回繰り返した。頻度は週に1回,2ヶ月間実施した。【結果】Tr群においてのみ,VO2max,RCP及び左室心筋重量の有意な増大が認められた(p<0.05)。【結論】週に1回の高強度インターバルトレーニングは,アスリートの呼吸循環機能の改善に有効であることが明らかになった。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual57.S182_2