高病原性鳥インフルエンザと新型インフルエンザ・パンデミックへの対応
「I はじめに」感染症の分野では多くの新興・再興感染症などが出現してきており, いまや世界中のすべての医療機関において感染症対策は最重要課題となっている. 特に2003年以来, 東南アジア地域を発端に世界的に広がりつつあるH5N1亜型ウイルスによる高病原性鳥インフルエンザの問題は鳥だけでなく, 鳥からヒトへの感染伝播事例も確認されるなど深刻な影響をもたらしつつある. 高病原性鳥インフルエンザウイルスの鳥への感染事例は現在, 地域的には東南アジアからアジア全体, さらに中東, ヨーロッパ, アフリカへと広がりつつあり, 拡大防止が困難な状況になっている. また, 鳥からヒトへの感染伝播事例につい...
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Published in | 日本農村医学会雑誌 Vol. 56; no. 6; pp. 836 - 839 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本農村医学会
2008
日本農村医学会 |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0468-2513 1349-7421 |
DOI | 10.2185/jjrm.56.836 |
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Summary: | 「I はじめに」感染症の分野では多くの新興・再興感染症などが出現してきており, いまや世界中のすべての医療機関において感染症対策は最重要課題となっている. 特に2003年以来, 東南アジア地域を発端に世界的に広がりつつあるH5N1亜型ウイルスによる高病原性鳥インフルエンザの問題は鳥だけでなく, 鳥からヒトへの感染伝播事例も確認されるなど深刻な影響をもたらしつつある. 高病原性鳥インフルエンザウイルスの鳥への感染事例は現在, 地域的には東南アジアからアジア全体, さらに中東, ヨーロッパ, アフリカへと広がりつつあり, 拡大防止が困難な状況になっている. また, 鳥からヒトへの感染伝播事例についてもベトナム, タイ, インドネシアなど12か国で確認されており, 2007年8月24日現在, WHOに対し公式に報告された確定感染者数は322名, 死亡者数は195名にもおよんでいる. この高病原性鳥インフルエンザウイルスによる鳥の集団感染事例, さらに鳥からヒトへの感染伝播の問題はまさに新型インフルエンザの発生と密接な関連があることが危惧され, 新型インフルエンザのパンデミックがいつ発生してもおかしくない状況となっている. |
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ISSN: | 0468-2513 1349-7421 |
DOI: | 10.2185/jjrm.56.836 |