遺伝子組換えライスの検知を目的としたラテラルフロ-法によるCryIAcタンパク質の検出法の検討

日本で安全性審査未終了である遺伝子組換え(GM)米の検知を目的に,GMコットン用に市販されているラテラルフロ-法を組換えCryIAcタンパク質を添加した玄米と精米に適用した.GM米は昆虫に抵抗性を示すBtトキシンであるCryIAcタンパク質を発現する.標準品として用いた組換えCryIAcタンパク質は,CryIAcをコードする遺伝子を挿入された大腸菌株から,ゲル浸透クロマトグラフィーを用いて調製した.調製された組換えCryIAcタンパク質を玄米と精米に添加し,GMコットンの検知に市販されているラテラルフロ-法で適用を試みた.その結果,玄米および精米ともCryIAcタンパク質を0.012 μg/g...

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Published in食品衛生学雑誌 Vol. 47; no. 3; pp. 111 - 114
Main Authors 穐山, 浩, 渡邉, 敬浩, 菊地, 博之, 坂田, こずえ, 時下, 祥子, 林, 芳樹, 日野, 明寛, 手島, 玲子, 澤田, 純一, 米谷, 民雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本食品衛生学会 2006
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Summary:日本で安全性審査未終了である遺伝子組換え(GM)米の検知を目的に,GMコットン用に市販されているラテラルフロ-法を組換えCryIAcタンパク質を添加した玄米と精米に適用した.GM米は昆虫に抵抗性を示すBtトキシンであるCryIAcタンパク質を発現する.標準品として用いた組換えCryIAcタンパク質は,CryIAcをコードする遺伝子を挿入された大腸菌株から,ゲル浸透クロマトグラフィーを用いて調製した.調製された組換えCryIAcタンパク質を玄米と精米に添加し,GMコットンの検知に市販されているラテラルフロ-法で適用を試みた.その結果,玄米および精米ともCryIAcタンパク質を0.012 μg/gのレベルで明確に検出できた,0.012 μg/gのレベルでCryIAcタンパク質を明瞭に検出するためには,試料抽出液をストリップ上に浸した後60分放置させることが必要であることが判明した.CryIAcタンパク質の検出限界は,米1 g当たり約12 ngと判断された.これらの結果から,GMコットンの検知にも用いられているラテラルフロ-法は,GM米で発現されるCryIAcタンパク質の検出にも可能であることが示唆された.
ISSN:0015-6426
1882-1006
DOI:10.3358/shokueishi.47.111