インフリキシマブ中止例の検討

目的:インフリキシマブ(IFX)中止に関して,①中止理由(効果不十分,有害事象,患者希望)を明らかにして,②効果不十分と有害事象で中止した例をIFX投与前から予測できるかどうかについて,継続例と比較検討し,さらに③中止時の疾患活動性とその後の治療状況について,調査した. 対象・方法:2003年8月から2009年8月に,282例のRA患者にIFXを投与し,145例が中止した.中止理由は①効果不十分73例②有害事象47例③患者希望による中止6例④転院17例⑤寛解2例であった. 結果:① IFXの中止理由は,効果不十分が最も多く(73/282;25.9%),次いで有害事象(47/282;16.7%)...

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Published in臨床リウマチ Vol. 22; no. 4; pp. 372 - 380
Main Authors 田中, 千尋, 中川, 夏子, 香山, 幸造, 塩沢, 俊一, 松田, 茂, 田中, 泰史, 吉原, 良祐, 葉, 乃彰, 横山, 公信, 塩沢, 和子, 村田, 美紀, 山根, 隆志, 寺島, 康浩
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床リウマチ学会 2010
The Japanese Society for Clinical Rheumatology and Related Research
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ISSN0914-8760
2189-0595
DOI10.14961/cra.22.372

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Summary:目的:インフリキシマブ(IFX)中止に関して,①中止理由(効果不十分,有害事象,患者希望)を明らかにして,②効果不十分と有害事象で中止した例をIFX投与前から予測できるかどうかについて,継続例と比較検討し,さらに③中止時の疾患活動性とその後の治療状況について,調査した. 対象・方法:2003年8月から2009年8月に,282例のRA患者にIFXを投与し,145例が中止した.中止理由は①効果不十分73例②有害事象47例③患者希望による中止6例④転院17例⑤寛解2例であった. 結果:① IFXの中止理由は,効果不十分が最も多く(73/282;25.9%),次いで有害事象(47/282;16.7%),転院(17/282;6.0%),患者希望(6/282;2.1%),寛解(2/282;0.7%)であった.② IFX中止例は継続例よりIFX治療開始時の疾患活動性が有意に高かった.③有害事象による中止例は中止時の疾患活動性が低かったが,効果不十分による中止例は疾患活動性が改善されていなかった.後者も別の治療に変えて6ケ月後には疾患活動性が低下した. 結論:IFXは効果不十分で中止する例が多い.中止例はIFX開始時の疾患活動性が高かった.今回の報告はIFXを3mg/kg,8週間隔で投与した結果であり,2009年8月より増量と投与期間の短縮が認められたので,今後は継続例が増えることが期待される.
ISSN:0914-8760
2189-0595
DOI:10.14961/cra.22.372