電気刺激を用いた知覚・痛覚定量分析装置の電極脱着を伴うtest-retest信頼性の検討

我々は知覚痛覚定量分析装置(PainVision PS-2100,ニプロ)によりレーザー照射が知覚閾値(最小感知電流値)と痛覚閾値(最小痛み電流値)に与える影響を検討しているが、分析装置の電極脱着を伴うため、接触抵抗の変化や受容器とのズレ等が生じ結果に影響することが推察された。本研究は電極脱着に伴う最小感知電流値と最小痛み電流値のtest-retest信頼性を明らかにすることを目的とし、本庄総合病院倫理委員会の承認を得て実施した。対象は健常成人10人の一側上肢で検者は1人とした。分析装置の電極を前腕掌側に貼付しマーキングした。最小感知電流値と最小痛み電流値を計測した後、電極を取外し、マーキング...

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Published in生体医工学 Vol. Annual57; no. Abstract; p. S231_1
Main Authors 竹内, 伸行, 松本, 昌尚
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2019
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Summary:我々は知覚痛覚定量分析装置(PainVision PS-2100,ニプロ)によりレーザー照射が知覚閾値(最小感知電流値)と痛覚閾値(最小痛み電流値)に与える影響を検討しているが、分析装置の電極脱着を伴うため、接触抵抗の変化や受容器とのズレ等が生じ結果に影響することが推察された。本研究は電極脱着に伴う最小感知電流値と最小痛み電流値のtest-retest信頼性を明らかにすることを目的とし、本庄総合病院倫理委員会の承認を得て実施した。対象は健常成人10人の一側上肢で検者は1人とした。分析装置の電極を前腕掌側に貼付しマーキングした。最小感知電流値と最小痛み電流値を計測した後、電極を取外し、マーキングに合わせ再度貼付して両電流値を再測定した。本定量分析装置は3回測定しその平均値を採用するため級内相関係数(1,3)(ICC1,3)にて検者内信頼性を検討した。結果、最小感知電流値はtest8.7±3.0μA、retest9.0±3.3μAでICC(1,3)は0.953(p<0.001)、最小痛み電流値はtest57.1±30.0μA、retest66.0±38.8μAでICC(1,3)は0.929(p<0.001)であった。知覚痛覚定量分析装置は電極を脱着しても、マーキングして位置を合わせることで高い測定信頼性を保つことができると示唆された。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual57.S231_1