薬局保険請求システムによる携帯電話への情報提供システムの構築

医薬分業とITの進展に伴い,薬局で扱う情報は年々大きくなっており,その効率化にはITの活用が有用な手段といえる.また,国民のIT推進状況も考慮すると,患者への医薬品情報提供にはITの活用が望まれる.そこで,携帯電話のWeb機能を利用した医薬品情報提供と収集を試みた.  システムはクライアントアプリケーションとWebアプリケーションで構成し,サーバとの通信にはSSLを用いた暗号化通信とした.情報提供はE-mailによる能動的情報提供,サーバへアクセスする受動的情報提供とし,さらに患者から服薬状況をサーバへ報告するシステムを構築した.また,本システムをモニター調査等で評価した.  本システムへのア...

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Published inJapan Journal of Medical Informatics Vol. 28; no. 1; pp. 31 - 37
Main Authors 飯嶋, 久志, 西橋, 由紀子, 田畑, 義弘, 吉川, 清史, 大石, 憲司, 木村, 浩二, 黒川, 慎吾, 西岡, 直人, 寺内, 信夫, 宇野, 弘展, 石野, 良和
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本医療情報学会 2008
Japan Association for Medical Informatics
Subjects
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ISSN0289-8055
2188-8469
DOI10.14948/jami.28.31

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Summary:医薬分業とITの進展に伴い,薬局で扱う情報は年々大きくなっており,その効率化にはITの活用が有用な手段といえる.また,国民のIT推進状況も考慮すると,患者への医薬品情報提供にはITの活用が望まれる.そこで,携帯電話のWeb機能を利用した医薬品情報提供と収集を試みた.  システムはクライアントアプリケーションとWebアプリケーションで構成し,サーバとの通信にはSSLを用いた暗号化通信とした.情報提供はE-mailによる能動的情報提供,サーバへアクセスする受動的情報提供とし,さらに患者から服薬状況をサーバへ報告するシステムを構築した.また,本システムをモニター調査等で評価した.  本システムへのアクセス数は「服用履歴」,「次回服用内容」,「登録情報」などが多かったが,患者からの報告は調査が進むにつれ減少した.また,薬剤師は調剤完了メール,服用履歴などに対する利便性を高く評価した.一方,本システムはレセプトコンピュータよりデータ抽出することから,データ入力の負荷なくデータ収集が可能であった.  本システムは服用履歴によるコンプライアンスの確認が期待されるが,継続した服用状況の確認には困難が生じた.今後はこれら問題点を改善し,患者利便性と薬物療法の質向上に寄与する必要があろう.
ISSN:0289-8055
2188-8469
DOI:10.14948/jami.28.31