リポソームの形状変化の数値シミュレーションによる解析

リポソームは脂質2分子膜でできた人工膜小胞である。細胞や細胞小器官のモデルとして広く研究されており,分子ロボットの構成要素の一つとしても注目されている。リポソームにアクチンやチューブリン等の細胞骨格タンパク質を作用させると,細胞骨格繊維が膜を押すことにより,レモン型や平べったい形,あるいは膜チューブが突出した形など,様々な形状に変化する。また,膜を開口させ、カップ型のリポソームを形成させるタンパク質も存在する。これらの形状変化は,原理的には膜の弾性に基づく理論モデルで説明可能と考えられている。本発表では,タンパク質によるリポソームの種々の形状変化とその条件に関する数値シミュレーションを用いた研...

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Published in生体医工学 Vol. Annual57; no. Abstract; p. S197_1
Main Author 梅田, 民樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2019
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Summary:リポソームは脂質2分子膜でできた人工膜小胞である。細胞や細胞小器官のモデルとして広く研究されており,分子ロボットの構成要素の一つとしても注目されている。リポソームにアクチンやチューブリン等の細胞骨格タンパク質を作用させると,細胞骨格繊維が膜を押すことにより,レモン型や平べったい形,あるいは膜チューブが突出した形など,様々な形状に変化する。また,膜を開口させ、カップ型のリポソームを形成させるタンパク質も存在する。これらの形状変化は,原理的には膜の弾性に基づく理論モデルで説明可能と考えられている。本発表では,タンパク質によるリポソームの種々の形状変化とその条件に関する数値シミュレーションを用いた研究を紹介するとともに,近年応用面で注目されているリポソームを連結させたリポソーム凝集体の形状と性質についての理論的研究について報告する。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual57.S197_1