小脳テント髄膜腫に類似した画像所見を呈した低悪性度B細胞リンパ腫の1例

硬膜原発リンパ腫は低悪性度B細胞リンパ腫が多く, 髄膜腫と画像所見が類似することが多い. 小脳テントに発生した低悪性度B細胞リンパ腫の1例を報告する. 症例は60歳女性. 急速な左聴力低下で発症. ステロイドが著効したが, ステロイド中止後に病変の急速な増大と左聴力低下を認めた. 左第Ⅴ脳神経の障害と左上肢失調もきたした. 手術標本にて低悪性度B細胞リンパ腫と診断された. 術後のFDG-PETで体部に異常集積なく, 小脳テント原発と判断した. 髄膜腫様の画像所見でも, 比較的急速に変化する画像所見や神経学的所見を認めた場合, 硬膜原発リンパ腫は考慮すべき疾患であり, 術中迅速診断が必須である....

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Published in脳神経外科ジャーナル Vol. 33; no. 6; pp. 424 - 430
Main Authors 笠原, 南, 今井, 陽一, 大島, 孝一, 森永, 裕介, 阿久津, 博義, 山田, 恭平, 本郷, 剛, 宇塚, 岳夫, 松田, 葉月, 角, 拓真
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本脳神経外科コングレス 2024
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ISSN0917-950X
2187-3100
DOI10.7887/jcns.33.424

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Summary:硬膜原発リンパ腫は低悪性度B細胞リンパ腫が多く, 髄膜腫と画像所見が類似することが多い. 小脳テントに発生した低悪性度B細胞リンパ腫の1例を報告する. 症例は60歳女性. 急速な左聴力低下で発症. ステロイドが著効したが, ステロイド中止後に病変の急速な増大と左聴力低下を認めた. 左第Ⅴ脳神経の障害と左上肢失調もきたした. 手術標本にて低悪性度B細胞リンパ腫と診断された. 術後のFDG-PETで体部に異常集積なく, 小脳テント原発と判断した. 髄膜腫様の画像所見でも, 比較的急速に変化する画像所見や神経学的所見を認めた場合, 硬膜原発リンパ腫は考慮すべき疾患であり, 術中迅速診断が必須である.
ISSN:0917-950X
2187-3100
DOI:10.7887/jcns.33.424