体幹回旋を伴う床からの起き上がり動作における関節運動の分析

体幹回旋を伴う床からの起き上がり動作中の関節運動を明らかにすることを本研究の目的とした.対象は21~26歳の健常男性10名とした.起き上がり動作は,床上の仰臥位から体幹を回旋させて起き上がり,長坐位になる動作とした.計測には三次元動作解析システムを用いた.動作開始から終了までを100%として,5%ごとの時点での関節角度を算出した.分析の結果,動作序盤に頭頸部の屈曲と回旋,体幹屈曲と回旋,体幹回旋反対側の肩の屈曲と内転,内旋運動が認められ,体幹の屈曲以外は30~35%頃までにピークを迎えた.体幹回旋側の肘は動作中盤まで屈曲し,その後伸展へと切り替わった.本結果は,床からの起き上がり動作中の関節運...

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Published in千葉県立保健医療大学紀要 Vol. 10; no. 1; pp. 1_51 - 1_59
Main Authors 竹内, 弥彦, 三和, 真人, 雄賀多, 聡, 大谷, 拓哉, 高杉, 潤, 藤尾, 公哉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 千葉県立保健医療大学 31.03.2019
Subjects
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ISSN1884-9326
2433-5533
DOI10.24624/cpu.10.1_1_51

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Summary:体幹回旋を伴う床からの起き上がり動作中の関節運動を明らかにすることを本研究の目的とした.対象は21~26歳の健常男性10名とした.起き上がり動作は,床上の仰臥位から体幹を回旋させて起き上がり,長坐位になる動作とした.計測には三次元動作解析システムを用いた.動作開始から終了までを100%として,5%ごとの時点での関節角度を算出した.分析の結果,動作序盤に頭頸部の屈曲と回旋,体幹屈曲と回旋,体幹回旋反対側の肩の屈曲と内転,内旋運動が認められ,体幹の屈曲以外は30~35%頃までにピークを迎えた.体幹回旋側の肘は動作中盤まで屈曲し,その後伸展へと切り替わった.本結果は,床からの起き上がり動作中の関節運動に関するこれまでの文献的記述を支持するものであった.本研究で得られた各関節の運動範囲は,体幹の回旋を伴う床からの起き上がり動作に必要となる関節可動域の一つの目安として活用可能と考えられる.
ISSN:1884-9326
2433-5533
DOI:10.24624/cpu.10.1_1_51