小児に発症した小腸-小腸型腸管結節形成症の1例

症例は7歳女児。フィリピン国籍で,特記すべき既往歴。前日から続く臍周囲痛を主訴に当院受診した。腹部膨満,臍周囲に圧痛を認め,腹部造影CTで造影効果不良のある小腸のclosed loopおよびwhirl signを認めたため,絞扼性腸閉塞の診断で緊急手術を施行した。手術所見では,血性腹水と暗赤色の拡張した小腸を認め,小腸同士が巻き付くようにして結節を形成しており,小腸-小腸型腸管結節形成症(ileo-ileal knot)と診断した。切除腸管を最小とするために肛門側腸管を先に切除し,結節を解除したうえで約130cmの小腸を切除し端々吻合した。術後経過は良好で,術後第12病日に退院した。腸管結節形...

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Published in日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 41; no. 3; pp. 187 - 190
Main Authors 伊藤, 喜介, 金岡, 祐次, 前田, 敦行, 高山, 祐一, 高橋, 崇真, 桐山, 宗泰, 清板, 和昭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 31.03.2021
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Summary:症例は7歳女児。フィリピン国籍で,特記すべき既往歴。前日から続く臍周囲痛を主訴に当院受診した。腹部膨満,臍周囲に圧痛を認め,腹部造影CTで造影効果不良のある小腸のclosed loopおよびwhirl signを認めたため,絞扼性腸閉塞の診断で緊急手術を施行した。手術所見では,血性腹水と暗赤色の拡張した小腸を認め,小腸同士が巻き付くようにして結節を形成しており,小腸-小腸型腸管結節形成症(ileo-ileal knot)と診断した。切除腸管を最小とするために肛門側腸管を先に切除し,結節を解除したうえで約130cmの小腸を切除し端々吻合した。術後経過は良好で,術後第12病日に退院した。腸管結節形成症は腸閉塞の0.52%に発生するまれな病態であり,小児に発生するileo-ileal knotの報告例はみられないため報告する。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem.41.3_187