中結腸動脈瘤破裂による腹腔内出血に対しREBOA導入後,開腹止血術を行った1例

症例は55歳,男性で腹痛を主訴に当院へ救急搬送され,来院時ショック状態であった。精査で中結腸動脈瘤破裂,腸間膜内血腫を認めた。中結腸動脈瘤破裂に対してIVRでの塞栓術を試みたが,手技中血圧低下をきたし血腫の腹腔内穿破が疑われたため開腹止血術を行う方針となった。その際resuscitative endovascular balloon occlusion of the aorta(以下,REBOA)を導入し,胸部大動脈の部分遮断を行うことで循環動態を安定させながら,手術を行うことが可能であった。REBOAは外傷性出血に対する蘇生手技として行われることが多いが,近年では非外傷性出血,横隔膜下出血に...

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Published in日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 44; no. 5; pp. 753 - 755
Main Authors 宮平, 工, 石嶺, 伝羽
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 31.07.2024
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ISSN1340-2242
1882-4781
DOI10.11231/jaem.44.753

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Summary:症例は55歳,男性で腹痛を主訴に当院へ救急搬送され,来院時ショック状態であった。精査で中結腸動脈瘤破裂,腸間膜内血腫を認めた。中結腸動脈瘤破裂に対してIVRでの塞栓術を試みたが,手技中血圧低下をきたし血腫の腹腔内穿破が疑われたため開腹止血術を行う方針となった。その際resuscitative endovascular balloon occlusion of the aorta(以下,REBOA)を導入し,胸部大動脈の部分遮断を行うことで循環動態を安定させながら,手術を行うことが可能であった。REBOAは外傷性出血に対する蘇生手技として行われることが多いが,近年では非外傷性出血,横隔膜下出血に対しても有効性を述べた報告が増えている。今回われわれは中結腸動脈瘤破裂による出血性ショックに対してREBOAを使用し,根治的止血術までの橋渡しとして有効であった症例を経験したため報告する。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem.44.753