28歳女性に発症したpapillary glioneuronal tumorの1例
Papillary glioneuronal tumor (PGNT) は2007年のWHO分類にて混合神経細胞・膠細胞腫の1つに分類された比較的まれな腫瘍である. 文献的考察を加えてここに報告する. 症例は28歳女性, 頭痛増悪し近医を受診. 頭部MRIで右側脳室三角部に74mm大の脳内腫瘤を疑われ当院紹介受診. 開頭腫瘍摘出術を実施した. 病理標本にて硝子化を示す血管周囲に単一の細胞がliningした偽乳頭状構造とグリアマーカー陽性の組織と神経マーカー陽性の組織が混合した所見を認め, PGNTの診断となった. 患者は術後2年間再発なく経過している. PGNTは特徴的な病理像を呈し, 外科的...
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Published in | 脳神経外科ジャーナル Vol. 31; no. 3; pp. 189 - 194 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人日本脳神経外科コングレス
2022
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Subjects | |
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ISSN | 0917-950X 2187-3100 |
DOI | 10.7887/jcns.31.189 |
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Summary: | Papillary glioneuronal tumor (PGNT) は2007年のWHO分類にて混合神経細胞・膠細胞腫の1つに分類された比較的まれな腫瘍である. 文献的考察を加えてここに報告する. 症例は28歳女性, 頭痛増悪し近医を受診. 頭部MRIで右側脳室三角部に74mm大の脳内腫瘤を疑われ当院紹介受診. 開頭腫瘍摘出術を実施した. 病理標本にて硝子化を示す血管周囲に単一の細胞がliningした偽乳頭状構造とグリアマーカー陽性の組織と神経マーカー陽性の組織が混合した所見を認め, PGNTの診断となった. 患者は術後2年間再発なく経過している. PGNTは特徴的な病理像を呈し, 外科的摘出で予後良好とされるが, 予後不良例や再発例の報告もあり摘出が達成後も定期的なフォローが不可欠である. |
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ISSN: | 0917-950X 2187-3100 |
DOI: | 10.7887/jcns.31.189 |