気管切開患者の摂食・嚥下機能評価尺度の開発

本研究の目的は,気管切開患者の摂食・嚥下機能評価尺度開発のための暫定的評価尺度を作成することである.暫定的評価尺度は既存の文献とクリティカルケア領域の専門 ・ 認定看護師の経験から表面妥当性をみたした75項目を抽出した.そして,項目の特徴から,看護師を評価者とする「看護師の観察項目 (43項目) 」と患者が評価者となる「患者への質問票 (32項目) 」に分類し,2つの尺度とした.これらの尺度を用いて,ICU入室中の気管切開患者14名の摂食 ・ 嚥下機能を計18回評価した.「看護師の観察項目」のCronbach α係数は0.94で,「患者への質問票」のCronbach α係数は0.72であった....

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Published in日本看護技術学会誌 Vol. 12; no. 3; pp. 64 - 73
Main Authors 足羽, 孝子, 深井, 喜代子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本看護技術学会 01.01.2014
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ISSN1349-5429
2423-8511
DOI10.18892/jsnas.12.3_64

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Summary:本研究の目的は,気管切開患者の摂食・嚥下機能評価尺度開発のための暫定的評価尺度を作成することである.暫定的評価尺度は既存の文献とクリティカルケア領域の専門 ・ 認定看護師の経験から表面妥当性をみたした75項目を抽出した.そして,項目の特徴から,看護師を評価者とする「看護師の観察項目 (43項目) 」と患者が評価者となる「患者への質問票 (32項目) 」に分類し,2つの尺度とした.これらの尺度を用いて,ICU入室中の気管切開患者14名の摂食 ・ 嚥下機能を計18回評価した.「看護師の観察項目」のCronbach α係数は0.94で,「患者への質問票」のCronbach α係数は0.72であった.また,「看護師の観察項目」と「患者への質問票」のスコアの間には有意な相関を認めた (r =0.78,p <0.001,n=18).気管切開患者への標準的な摂食 ・ 嚥下機能評価尺度開発のため,今後,評価対象者を増やすとともに対象の均一化を図り,ツールの有用性を検証していく必要がある.
ISSN:1349-5429
2423-8511
DOI:10.18892/jsnas.12.3_64