透過膜における濾過係数、透過係数の測定結果

(はじめに) 透過膜の評価には濾過係数Lpと透過係数Pが用いられてきたが、現状では、これらのパラメーターを測定するシステムは殆どない。また、従来の測定法の例として、重水素を使用した高価かつ複雑な手法があり、このような方法では研究室レベルでの透過膜特性の評価は困難である。(目的)従来法と比較して、 安価で簡易的な透過膜評価システムを新たに開発し、特性が既知の透過膜を測定することで、開発したシステムの有効性を検討する。(方法) アクリル柱に3Dプリンタで作成した筐体を直結させた加圧系、膜から濾過される体積流Jvを電子天秤で測定する測定系からなるシステムを開発し、任意の静水圧による体積流Jvの測定に...

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Published in生体医工学 Vol. Annual60; no. Abstract; p. 256_1
Main Authors 十川, 哲, 野口, 奨吾, 山口, 湧斗, 先間, 健, 長倉, 俊明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2022
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Summary:(はじめに) 透過膜の評価には濾過係数Lpと透過係数Pが用いられてきたが、現状では、これらのパラメーターを測定するシステムは殆どない。また、従来の測定法の例として、重水素を使用した高価かつ複雑な手法があり、このような方法では研究室レベルでの透過膜特性の評価は困難である。(目的)従来法と比較して、 安価で簡易的な透過膜評価システムを新たに開発し、特性が既知の透過膜を測定することで、開発したシステムの有効性を検討する。(方法) アクリル柱に3Dプリンタで作成した筐体を直結させた加圧系、膜から濾過される体積流Jvを電子天秤で測定する測定系からなるシステムを開発し、任意の静水圧による体積流Jvの測定により、濾過係数Lpを算出した。また、透過係数測定では3Dプリンタで拡散セルを作成し、それぞれのセル内に濃度が既知のグルコース溶液、純水を入れ、各セル内の時間的なグルコース濃度の変化から溶質流Jsを測定し、透過係数Pを算出した。(結果) 測定した濾過係数および透過係数は既知の値に近しい値となった。(結論) 開発した測定システムにより濾過係数Lp、透過係数Pの測定を行うことができた。これらのことから、開発したシステムが透過膜特性の評価に有効であることが示唆された。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual60.256_1