近赤外LEDを用いた透析液排液成分のモニタリングに関する基礎的検討
従来,血液透析の効果判定は透析前後の採血により行うため終了時まで効果を確認できず,個人に合わせた適正透析は困難である.そこで本研究では,患者ごとの至適透析終点の推定及び治療効率向上のため,光学式透析液排液成分モニタリングシステムの開発を最終目標としてきた.前回の本学会では,分光器を用いて尿素・尿酸・クレアチニンを含む混合水溶液の尿素濃度予測を行い,光路長0.5及び0.25 mmにおいて実測濃度と予測濃度に高い相関が確認されたことを報告した.一方,実用化を考慮するとシステム低廉化のためLED光源の使用が望ましい.そこで今回,LEDのブロード状発光特性を模擬した解析を行った.具体的には,分光器で得...
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Published in | Transactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual60; no. Abstract; p. 243_2 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本生体医工学会
2022
Japanese Society for Medical and Biological Engineering |
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ISSN | 1347-443X 1881-4379 |
DOI | 10.11239/jsmbe.Annual60.243_2 |
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Summary: | 従来,血液透析の効果判定は透析前後の採血により行うため終了時まで効果を確認できず,個人に合わせた適正透析は困難である.そこで本研究では,患者ごとの至適透析終点の推定及び治療効率向上のため,光学式透析液排液成分モニタリングシステムの開発を最終目標としてきた.前回の本学会では,分光器を用いて尿素・尿酸・クレアチニンを含む混合水溶液の尿素濃度予測を行い,光路長0.5及び0.25 mmにおいて実測濃度と予測濃度に高い相関が確認されたことを報告した.一方,実用化を考慮するとシステム低廉化のためLED光源の使用が望ましい.そこで今回,LEDのブロード状発光特性を模擬した解析を行った.具体的には,分光器で得た混合水溶液の透過光強度スペクトルに対して,市販の近赤外LEDで入手可能な12種類の波長を選び,それぞれを中心波長としたブロード状の特性をガウス関数で近似した.この様にして得た12点の模擬透過光強度から差分吸光度を算出し,総当たり方式で重回帰分析を行い,至適波長組み合わせ選定を試みた.予測精度は,実測濃度と予測濃度の標準予測誤差(SEP)及び相関係数 γ により評価した.その結果,7個の波長データを用いることで高い相関係数(γ=0.843)と良好なSEP(4.51 mg/dl)が得られ,LED光源を用いた尿素濃度の高精度予測可能性が示唆された. |
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ISSN: | 1347-443X 1881-4379 |
DOI: | 10.11239/jsmbe.Annual60.243_2 |