腹部X線画像からのガスと便領域抽出における深層学習モデルの精度比較

慢性便秘症の有訴者率は15%に達し,これにより腹部膨満感や食欲不振などの症状が引き起り,生活の質が低下している.ガスおよび便の量と便秘類型の間には関連が報告されており,ガスおよび便の位置と量を特定することが重要である.しかし,腹部X線画像からガスおよび便の位置と量を読影するためには習熟を要し,また主観的な評価であるため,これらを自動化する技術が求められている.そこで我々は,深層学習を用いた腹部X線画像におけるガスと便領域のセグメンテーション手法を提案する.本発表では,深層学習モデルとしてU-Net,LinkNet,FPNによるガスと便領域のセグメンテーション性能を比較する.実験結果より,ガス領...

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Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual62; no. Abstract; p. 190_1
Main Authors 高島, 直也, 藤田, 大輔, 佐貫, 毅, 木下, 芳一, 小橋, 昌司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2024
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
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Summary:慢性便秘症の有訴者率は15%に達し,これにより腹部膨満感や食欲不振などの症状が引き起り,生活の質が低下している.ガスおよび便の量と便秘類型の間には関連が報告されており,ガスおよび便の位置と量を特定することが重要である.しかし,腹部X線画像からガスおよび便の位置と量を読影するためには習熟を要し,また主観的な評価であるため,これらを自動化する技術が求められている.そこで我々は,深層学習を用いた腹部X線画像におけるガスと便領域のセグメンテーション手法を提案する.本発表では,深層学習モデルとしてU-Net,LinkNet,FPNによるガスと便領域のセグメンテーション性能を比較する.実験結果より,ガス領域におけるDICE係数はU-Net,LinkNet,FPNそれぞれにおいて0.696,0.664,0.644であった.提案手法はガス領域,便領域,およびガスと便の結合領域全てにおいてU-Netを用いたときのDICE係数が最も高く,U-Netが本研究において最も適したモデルであることを示された.
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual62.190_1