BOLD MRIの胎盤領域時系列特徴量に基づく深層学習による胎児発育不全推定

胎児発育不全は,妊娠期間中に胎児の成長が遅延し,胎児の体重が小さくなる産婦人科疾患である.発症すると出生前後の健康リスクが高まるため,早期の発見や管理が求められる.現在は超音波検査で推定される胎児の体重を用いて診断されるが,胎児発育不全の原因の特定が困難であることから,新しい診断手法が望まれている.近年の研究では血中酸素濃度を撮影するBOLD MRIを用いて,胎児発育不全と胎盤酸素化機能の関係性が示されたことから,新たに診断に活用できる可能性がある.そこで本研究では,BOLD MRIの胎盤領域における画像特徴量を用いた深層学習による胎児発育不全の推定を行った.ここではBOLD MRI動画像にお...

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Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual62; no. Abstract; p. 199_1
Main Author 西田, 健太郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2024
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual62.199_1

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Summary:胎児発育不全は,妊娠期間中に胎児の成長が遅延し,胎児の体重が小さくなる産婦人科疾患である.発症すると出生前後の健康リスクが高まるため,早期の発見や管理が求められる.現在は超音波検査で推定される胎児の体重を用いて診断されるが,胎児発育不全の原因の特定が困難であることから,新しい診断手法が望まれている.近年の研究では血中酸素濃度を撮影するBOLD MRIを用いて,胎児発育不全と胎盤酸素化機能の関係性が示されたことから,新たに診断に活用できる可能性がある.そこで本研究では,BOLD MRIの胎盤領域における画像特徴量を用いた深層学習による胎児発育不全の推定を行った.ここではBOLD MRI動画像における胎盤領域のアノテーションが必要であるが,大量の動画像フレームに対するアノテーションには多大な労力がかかる.そこで本研究では時系列方向に領域伝播を行い,作業量の低減を行った.また,胎盤領域における画像特徴量を抽出し,時系列データとして深層学習モデルを学習することで,胎児発育不全か否かの二値分類を行った.提案手法により,胎児発育不全をF値0.778で推定できた.また,胎盤領域のセグメンテーションありとで推定精度を比較した結果,胎盤領域のセグメンテーションありで高い推定精度を得たことから,本手法における胎盤領域のセグメンテーションの有効性が示された.
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual62.199_1