スマート治療室を基盤とした臨床情報解析システムC.I.A.の開発
脳神経外科手術では,手術前の治療方針決定に加えて,手術中にも様々な意思決定が行われる.術中の医師は,その判断の質を向上するために患者状態や電子カルテの診療情報だけでなく,手術室内にある生体情報,診療情報,手術経過,病理結果などの様々な情報を収集している.本研究では術中意思決定支援を目的とし,これらの情報を蓄積・解析・フィードバック可能な臨床情報解析システム(Clinical Information Analyzer : C.I.A.)を構築した.方法として,臨床研究データベースの診療情報から抽出される医療機器情報を解析し,患者の予後予測モデル(生存予後,機能予後)のプロトタイプを開発した.モデ...
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Published in | Transactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual61; no. Abstract; p. 115_2 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本生体医工学会
2023
Japanese Society for Medical and Biological Engineering |
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ISSN | 1347-443X 1881-4379 |
DOI | 10.11239/jsmbe.Annual61.115_2 |
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Summary: | 脳神経外科手術では,手術前の治療方針決定に加えて,手術中にも様々な意思決定が行われる.術中の医師は,その判断の質を向上するために患者状態や電子カルテの診療情報だけでなく,手術室内にある生体情報,診療情報,手術経過,病理結果などの様々な情報を収集している.本研究では術中意思決定支援を目的とし,これらの情報を蓄積・解析・フィードバック可能な臨床情報解析システム(Clinical Information Analyzer : C.I.A.)を構築した.方法として,臨床研究データベースの診療情報から抽出される医療機器情報を解析し,患者の予後予測モデル(生存予後,機能予後)のプロトタイプを開発した.モデル開発における課題として,患者情報や治療情報は複数の部署や人が保管しており,様々なファイル形式で保存されている点が挙げられる.予後予測モデルを開発するためには,これらデータの存在確認,収集,および統合作業をする必要があった.さらに,日常臨床中に収集されたリアルワールド・データを使用するため,クレンジング作業における課題解決のために多くの時間を要した.例えば,データの欠落が散見されたり,一定期間の検査値が得られないなど,データの質に関連する調整が発生した.今後は,実臨床での応用を前提とした結果の提示方法を検討するとともに,予測精度の向上を目指す. |
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ISSN: | 1347-443X 1881-4379 |
DOI: | 10.11239/jsmbe.Annual61.115_2 |