ハンセン病療養所における看護実践の動向とその整理 国内の文献検討を通じて

本研究は、国内ハンセン病療養所で展開される看護実践の整理を行い、これまで看護師個々の、一実践報告・研究報告に留まりがちであった看護の内容を、その動向と合わせて提示し、今後、国内のハンセン病療養所内において提供される看護実践の質向上に役立てることを目的とする。医中誌Webを用いて、842文献から精選過程に沿って抽出を進め、17文献を分析対象とした。その内容は、「ハンセン病の後遺症への看護」、「生き様や過去の背景を踏まえた看護」等の4つに整理され、ハンセン病の後遺症への健康管理や医療処置の他、日常生活の継続を支える看護実践、さらに入所者がこれまで生き抜いてきた過去の背景を踏まえた個別的な看護実践等...

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Published in日本ハンセン病学会雑誌 Vol. 93; no. 3; pp. 127 - 133
Main Author 伊東, 真理
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ハンセン病学会 31.12.2024
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ISSN1342-3681
1884-314X
DOI10.5025/hansen.93.127

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Summary:本研究は、国内ハンセン病療養所で展開される看護実践の整理を行い、これまで看護師個々の、一実践報告・研究報告に留まりがちであった看護の内容を、その動向と合わせて提示し、今後、国内のハンセン病療養所内において提供される看護実践の質向上に役立てることを目的とする。医中誌Webを用いて、842文献から精選過程に沿って抽出を進め、17文献を分析対象とした。その内容は、「ハンセン病の後遺症への看護」、「生き様や過去の背景を踏まえた看護」等の4つに整理され、ハンセン病の後遺症への健康管理や医療処置の他、日常生活の継続を支える看護実践、さらに入所者がこれまで生き抜いてきた過去の背景を踏まえた個別的な看護実践等があることが示された。このように、ハンセン病の看護はその病気のおかれた特殊な状況故に、問題解決に向け試行錯誤を続け、独自に変化してきた看護と言えるが、他の看護実践に活かされるべき点は多いと考えられた。
ISSN:1342-3681
1884-314X
DOI:10.5025/hansen.93.127