多視点型手術ナビゲーションシステムの開発と、このための術野情報取得可能なリアルタイム計測法

われわれはこれまでに、術野画像上に腫瘍や血管などの内部構造を重畳表示するAR型の手術ナビゲーションシステムの開発を行ない、本大会でも報告してきた。次の世代のナビゲーションシステムの一つとして、手術に参加する執刀医や助手など、それぞれのスタッフの視点からの術野のナビゲーション情報を提示できるシステムが有用であると考えている。各術者からの視点での術野の状況の計測には、レーザ測距法によって高速に深度マップを計測できるLiDARセンサ(Intel LiDAR Camera L515)を用い、術野の表面形状を計測した。得られた表面形状内に術前のX線CTやMRIから再構築した腫瘍や血管などの内部構造モデル...

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Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual60; no. Abstract; p. 140_1
Main Authors 服部, 麻木, 鈴木, 直樹, 半田, 晴久, 坂井, 滋和, 岡本, 友好
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2022
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual60.140_1

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Summary:われわれはこれまでに、術野画像上に腫瘍や血管などの内部構造を重畳表示するAR型の手術ナビゲーションシステムの開発を行ない、本大会でも報告してきた。次の世代のナビゲーションシステムの一つとして、手術に参加する執刀医や助手など、それぞれのスタッフの視点からの術野のナビゲーション情報を提示できるシステムが有用であると考えている。各術者からの視点での術野の状況の計測には、レーザ測距法によって高速に深度マップを計測できるLiDARセンサ(Intel LiDAR Camera L515)を用い、術野の表面形状を計測した。得られた表面形状内に術前のX線CTやMRIから再構築した腫瘍や血管などの内部構造モデルを重畳表示し、術者に提示した。センサは各術者の頭部に装着する方法と、術者の立ち位置近くに設置する方法で行なった。センサの設置位置の違いによる結果を比較したところ、術者の視点に近づけるために頭部にセンサを装着する必要はなく、術者の立ち位置近くに設置したセンサから得られる表面形状に内部構造モデルを重畳表示した後、ナビゲーション画像の視点を術者の視点に近くなるようにすることで、頭部に装着した場合と同様の結果が得られることが分かった。今後は手術の進行を妨げず安定して術野の計測が可能なセンサの設置方法を検討するとともに、術者へナビゲーション画像のより適した提示手法の開発を行なっていく予定である。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual60.140_1