反射光学系による広帯域(3-20µm)中赤外パッシブ分光イメージング
我々は独自技術である手のひらサイズの中赤外分光装置を開発しており,環境分野や医用分野におけるその場計測を目指している.この分光装置は透過光学系により構成されているため,レンズの透過率を確保するAR(Anti-Reflective)コートが施されている.これにより,計測波長帯域が狭帯域(8-14µm)となり,計測可能な成分が減少することで適用分野が限定されていた.そこで我々は,広帯域(3-20µm)中赤外パッシブ分光装置を提案した.本分光装置は,レンズの代わりとして自由曲面ミラーを用いた反射光学系を構築している.この自由曲面ミラーは金蒸着加工が施されているため,可視領域から遠赤外領域までの広帯域...
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Published in | Transactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual62; no. Abstract; p. 180_1 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本生体医工学会
2024
Japanese Society for Medical and Biological Engineering |
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ISSN | 1347-443X 1881-4379 |
DOI | 10.11239/jsmbe.Annual62.180_1 |
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Summary: | 我々は独自技術である手のひらサイズの中赤外分光装置を開発しており,環境分野や医用分野におけるその場計測を目指している.この分光装置は透過光学系により構成されているため,レンズの透過率を確保するAR(Anti-Reflective)コートが施されている.これにより,計測波長帯域が狭帯域(8-14µm)となり,計測可能な成分が減少することで適用分野が限定されていた.そこで我々は,広帯域(3-20µm)中赤外パッシブ分光装置を提案した.本分光装置は,レンズの代わりとして自由曲面ミラーを用いた反射光学系を構築している.この自由曲面ミラーは金蒸着加工が施されているため,可視領域から遠赤外領域までの広帯域に対応することが可能である.これにより,検出器の感度特性にのみ依存した広帯域(3-20µm)での計測が可能となる. プランクの法則に基づき,生体温度(300K)相当の中赤外光における短波長領域(3-5µm)の放射光強度は低い.そのため,短波長領域の感度劣化が課題となる.そこで黒体炉を背景光とし,提案装置により短波長領域に特徴的な吸収ピーク(4.25µm)を持つ二酸化炭素を計測した.その結果,黒体炉温度約490K以上にて二酸化炭素の吸収ピークを確認した.生体温度と比較した場合,約190K以上の温度差があるため,生体に適用するためには検出器の感度向上が必要であることを示した. |
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ISSN: | 1347-443X 1881-4379 |
DOI: | 10.11239/jsmbe.Annual62.180_1 |