撮影画像を用いた非観血式回路内圧推定法の開発における小型カメラの性能が推定精度に与える影響の調査

体外循環の問題点として脱血不良や血栓形成等が挙げられ、これらの異常を検知するためには回路内圧の測定が重要となる。測定方法として観血式圧力測定法が挙げられるが、測定箇所における血栓形成等の恐れがある。本研究では、体外循環に用いるチューブが回路内圧の変化に伴い僅かに変形する点に着目し、小型カメラでチューブの撮影を行い、撮影画像から非観血的に回路内圧を推定する方法の開発を目的とした。今回、画素数の異なる2台の小型カメラ(PPV405S:約30万画素、CM420-0A:約200万画素、アサヒ電子研究所)を用いて実験を行い、回路内圧の推定精度について検討した。実験はチューブを固定し、回路内圧0から-30...

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Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual62; no. Abstract; p. 176_1
Main Authors 田中, 颯人, 住倉, 博仁, 田村, 優大, 太田, 圭, 本間, 章彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2024
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual62.176_1

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Summary:体外循環の問題点として脱血不良や血栓形成等が挙げられ、これらの異常を検知するためには回路内圧の測定が重要となる。測定方法として観血式圧力測定法が挙げられるが、測定箇所における血栓形成等の恐れがある。本研究では、体外循環に用いるチューブが回路内圧の変化に伴い僅かに変形する点に着目し、小型カメラでチューブの撮影を行い、撮影画像から非観血的に回路内圧を推定する方法の開発を目的とした。今回、画素数の異なる2台の小型カメラ(PPV405S:約30万画素、CM420-0A:約200万画素、アサヒ電子研究所)を用いて実験を行い、回路内圧の推定精度について検討した。実験はチューブを固定し、回路内圧0から-300mmHgまで-50mmHg毎に各小型カメラにて撮影を行った。画像処理は二値化処理とノイズ除去を行い、また、1mmに設定したノギスの画像から別途1画素のサイズを算出した。画素のサイズとチューブの最大変位点の座標より、チューブの変位を算出した。実験の結果、画像から得た変位は非線形の特性が得られた。近似曲線とチューブの変位から回路内圧を推定した結果、圧力センサとの平均誤差率がPPV405Sは1.23%、CM420-0Aは0.79%となり、撮影画像から回路内圧を推定可能であると示唆された。また、推定精度はCM420-0Aの方が高いため、画素数の多いカメラを用いることで推定精度が向上すると考えられた。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual62.176_1