女性看護師における働きやすさ・職業的アイデンティティと職業継続・職場定着意思の関係

本研究は,女性看護師が捉える働きやすさと職業的アイデンティティを把握,及びそれらと職業継続意思・職場定着意思との関係を明らかにすることを目的とした。A県内300~500床の病院で働くおよそ1,200名の女性看護師を対象に質問紙調査を実施した(回収率72.5%)。調査項目は,基本属性,働きやすさ,職業的アイデンティティ,職業継続意思,職場定着意思とした。分析の結果,働きやすさ第1因子の寄与率が約5割であり,働きやすさを〈上司に対する評価〉と捉えていた。職業的アイデンティティは,平均値が3.7以上の項目から,経済的基盤と人間的に成長できると捉えていた。働きやすさと職場定着意思,職業的アイデンティテ...

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Published in日本医療・病院管理学会誌 Vol. 55; no. 4; pp. 173 - 183
Main Authors 原田, 博子, 吉村, 千草, 山田, 千尋
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本医療・病院管理学会 2018
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ISSN1882-594X
2185-422X
DOI10.11303/jsha.55.173

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Summary:本研究は,女性看護師が捉える働きやすさと職業的アイデンティティを把握,及びそれらと職業継続意思・職場定着意思との関係を明らかにすることを目的とした。A県内300~500床の病院で働くおよそ1,200名の女性看護師を対象に質問紙調査を実施した(回収率72.5%)。調査項目は,基本属性,働きやすさ,職業的アイデンティティ,職業継続意思,職場定着意思とした。分析の結果,働きやすさ第1因子の寄与率が約5割であり,働きやすさを〈上司に対する評価〉と捉えていた。職業的アイデンティティは,平均値が3.7以上の項目から,経済的基盤と人間的に成長できると捉えていた。働きやすさと職場定着意思,職業的アイデンティティと職場定着意思・職業継続意思は,やや強い正の相関があった。今後,女性看護師が看護師という職業を継続し,職場に定着するためには,上司の支援・配慮及び職業的アイデンティティの獲得のための取り組みが重要である。
ISSN:1882-594X
2185-422X
DOI:10.11303/jsha.55.173