グレカプレビル水和物/ピブレンタスビル投与時に発現するビリルビン値上昇の重症度に影響を与えるリスク因子

【目的】Glecaprevir(GLE)/Pibrentasvir(PIB)投与後のTotal Bilirubin(TB)値上昇について,重症度に影響を及ぼすリスク因子を検討した.【方法】対象はC型慢性肝炎・代償性肝硬変と診断されGLE/PIB療法を施行した69例とした.【結果】Grade 1以上のTB上昇は38例に認められ,投与前のTB値と有意な相関を認めた(r=0.550,p<0.01).また,Grade 0-1群とGrade 2-3群の多変量解析では,投与前TB値が抽出された(Odd Ratio:10.9,95% Confidence Interval 1.866-63.781 p=0....

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Published in肝臓 Vol. 62; no. 2; pp. 47 - 54
Main Authors 四十物, 由香, 鴨志田, 敏郎, 小川, 竜徳, 阿部, 春果, 鈴木, 俊一, 齋藤, 祥子, 青山, 芳文
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 01.02.2021
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Summary:【目的】Glecaprevir(GLE)/Pibrentasvir(PIB)投与後のTotal Bilirubin(TB)値上昇について,重症度に影響を及ぼすリスク因子を検討した.【方法】対象はC型慢性肝炎・代償性肝硬変と診断されGLE/PIB療法を施行した69例とした.【結果】Grade 1以上のTB上昇は38例に認められ,投与前のTB値と有意な相関を認めた(r=0.550,p<0.01).また,Grade 0-1群とGrade 2-3群の多変量解析では,投与前TB値が抽出された(Odd Ratio:10.9,95% Confidence Interval 1.866-63.781 p=0.008).【結語】TB値上昇の重症度に影響を与えるリスク因子は投与開始前のTB値であることが明らかとなった.しかし,ジルベール症候群などを見逃している可能性も考えられ,前向きな検討が必要である.
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.62.47