肥満例のコロストミー

肥満例や腹壁の弛緩した女性では,術前にストーマサイトマキングを行ったにもかかわらず,臥位では良いストーマでも,坐位でケアするようになると,腹壁の皮膚や皮下脂肪が垂れ下がり,ストーマヘの覆いかぶさりを生じ,セルフケアの困難になる例を見ることがある。  これは,肥満例では坐位になると腹壁の下垂,突出,皮下脂肪の厚みの増大が高度となるが,ストーマの部位では腸管の皮下の長さが変化しないため,相対的に陥凹し,ひきつれ,頭側の皮膚や皮下脂肪がストーマに覆いかぶさるためである。  この対策として,術前のストーマサイトマーキングをより一層慎重に行い,ストーマ造設時,立位での腹壁の変化を考慮して,腸管にゆとりを...

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Published in日本ストーマリハビリテーション研究会誌 Vol. 4; no. 1; pp. 15 - 17
Main Authors 赤井, 貞彦, 島田, 寛治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会 1988
Japanese Society of Stoma and Continence Rehabilitation
Subjects
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ISSN0912-0408
2759-7458
DOI10.32158/jssrs.4.1_15

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Summary:肥満例や腹壁の弛緩した女性では,術前にストーマサイトマキングを行ったにもかかわらず,臥位では良いストーマでも,坐位でケアするようになると,腹壁の皮膚や皮下脂肪が垂れ下がり,ストーマヘの覆いかぶさりを生じ,セルフケアの困難になる例を見ることがある。  これは,肥満例では坐位になると腹壁の下垂,突出,皮下脂肪の厚みの増大が高度となるが,ストーマの部位では腸管の皮下の長さが変化しないため,相対的に陥凹し,ひきつれ,頭側の皮膚や皮下脂肪がストーマに覆いかぶさるためである。  この対策として,術前のストーマサイトマーキングをより一層慎重に行い,ストーマ造設時,立位での腹壁の変化を考慮して,腸管にゆとりを持たせるとか,ストーマの部位を通常より頭側,臍の高さかその少し下くらいにする方が良い。
ISSN:0912-0408
2759-7458
DOI:10.32158/jssrs.4.1_15